紙上講演 スポーツジャーナリスト元NHKアナウンサー 島村俊治氏

スポーツジャーナリスト元NHKアナウンサー 島村俊治氏
 スポーツに見るリーダー論と五輪の名勝負を語る

 監督、選手の心に注目

 山陰中央新報社の石見政経懇話会と石西政経懇話会の定例会が26、27日、浜田、益田両市であり、元NHKアナウンサーでスポーツジャーナリストの島村俊治氏(71)が「スポーツに見るリーダー論と五輪の名勝負を語る」と題し講演した。要旨は次の通り。

 スポーツ実況をして49年になるが、志望するきっかけは鳥取県であった「米鳥駅伝」での実況を周囲に褒めてもらったことだった。

 師と仰ぐのはプロ野球監督で最多の1773勝を挙げている故鶴岡一人氏と、巨人のV9時代に指揮を執った川上哲治氏。

 鶴岡氏は野球解説で「指揮官に決断力がなくては部隊は全滅する」と繰り返し、川上氏からは「監督は身を捨てる覚悟が必要」と教わった。組織の長には決断力と覚悟が求められる。

 五輪には夏、冬合わせ8回行ったが、実況で日本人選手に「頑張れ」と声を掛けたことはない。その気持ちを別な表現で伝え、歯の浮くような言葉を使うのも避けてきた。

 間近に迫ったロンドン五輪は、3大会連続で2種目の金メダルに挑む水泳の北島康介選手の心の在り方に注目だ。北島の集中力は群を抜いて高く、レース前の招集所から他の選手とは目つきが違う。

 北島は常に準備の大切さに言及するが、それは「小さいことの積み重ねがない限り、遠くには行けない」と語る大リーガーのイチローの考えと同じ。スポーツ以外の仕事にも通じる考え方だと思う。

2012年6月28日 無断転載禁止