紙上講演 日銀松江支店長 岡田豊氏

日銀松江支店長 岡田豊氏
 最近の金融経済情勢について

 内外の需要取り込みを

 山陰中央新報社の島根政経懇話会の定例会が28日、松江市内であり、日銀松江支店(松江市母衣町)の岡田豊支店長(47)が「最近の金融経済情勢について」と題して講演した。今後の成長には、外需の取り込みと国内の潜在需要の掘り起こしが不可欠だと強調した。要旨は次の通り。

 国内の景気は2013年度にかけ、海外経済の成長や東日本大震災の復興需要の高まりで緩やかに回復していく、という見通しだ。

 最近の経済情勢を見ても、12年第1四半期(1~3月)の実質GDPが前期(11年10~12月)比1・0%増となるなど、横ばい圏内ながら、持ち直しに向けた動きが明確になりつつある。

 一方で長期的には、日本の実質成長率は1970年代の前ごろから徐々に低下してきている。中長期的な引き上げが課題だ。

 国内では人口の高齢化が進むが、高齢者の消費意欲は旺盛で、個人消費全体を大きく左右するようになっている。こうした層の潜在需要に、いかに対応するかが重要になる。

 中小企業の中には、売上高経常利益率(売上高に占める経常利益の割合)などで、大企業平均を上回るケースも少なくない。これらの企業の特徴は海外、特にアジアの需要を取り込むとともに、社会の需要構造の変化に対応していることだ。

 こうした元気な企業は、山陰両県でも着々と出てきているように感じられる。歴史的な重みがある地域のブランド力を生かし、成長企業が増えることを期待する。

2012年5月29日 無断転載禁止