紙上講演 日本大学法学部教授 岩井奉信氏

日本大学法学部教授 岩井奉信氏
 政局の行方

 「維新」触媒に大連立も

 山陰中央新報社の石見政経懇話会と石西政経懇話会の定例会が24、25の両日、浜田、益田両市内であり、日本大学法学部教授の岩井奉信氏(61)が「政局の行方」と題して講演した。要旨は次の通り。

 日本の政治は長年混迷が続いているが、今ほど先行きが読めない時代はない。

 現在、国政はねじれ国会の影響で物事が決められない状態。一方で物事を次々決めていくのは沖縄県・尖閣諸島の購入方針を示した石原慎太郎東京都知事、大阪都構想を打ち出した橋下徹大阪市長だ。地方と国政で対照的な様相を呈している。

 民主党は消費税増税で執行部の方針に反する小沢一郎元代表のグループを抱える影響などで足踏み状態に陥り、自民党もリーダーシップに欠ける谷垣禎一総裁降ろしが始まっている。

 永田町への国民の不信感が根強い中、与野党が注視しているのは圧倒的な人気を誇る橋下市長率いる大阪維新の会の動向。具体的には維新の会が国政に進出するか否かという点だが、維新の会は今年夏には総選挙の準備を整えるとみられる。

 ただ、仮に総選挙になって維新の会が国政に出ても衆議院で過半数に達する政党は生まれず、大きな混乱が起きるのではないか。維新の会を触媒に、民主、自民両党が大連立を組む可能性も否定できない。

 いずれにしろ、今の政治は「一寸先は闇」だ。

2012年4月27日 無断転載禁止