紙上講演 コリア・レポート編集長 辺 真一氏

コリア・レポート編集長 辺真一氏
 どうなる金正恩体制どうなる日朝関係

 拉致解決へ交渉の時期

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が29、30の両日、松江、米子の両市内であり、北朝鮮情勢に精通したコリア・レポート編集長の辺真一さん(64)が「どうなる金正恩体制 どうなる日朝関係」と題して講演した。弾道ミサイル打ち上げをめぐる周辺国の思惑、金正恩体制を支える権力構造などを解説した。要旨は次の通り。

 核安全保障サミット出席で訪韓した中国の胡錦濤国家主席が、北朝鮮のミサイル発射を憂慮する発言をしたが、発射は間違いなく行われる。中国が1960~70年代に行った核実験と衛星打ち上げで唯一、北朝鮮は祝電を送った。同じことをする北朝鮮に駄目と言えない。今回も寛大な措置を取るだろう。

 そうした中国の姿勢の背景には、北朝鮮が崩壊すると、米軍が中国の国境線まで迫ることや難民流入への懸念がある。むしろ、体制が維持されれば、北朝鮮に埋蔵する豊富なレアメタルの確保や不凍港の羅先を貿易に使えるという思惑もある。

 現体制は軍が権力を掌握して正恩氏をコントロールしている。このままでは核や拉致問題の解決は難しい。

 ただし、正恩氏は母親が在日朝鮮人で幼いころに3年ほど日本語を勉強した。故・金正日総書記も正恩氏を日本に旅行させ、自身も訪日したがっていた。北朝鮮は中国に隷属化されるか、韓国に吸収されることを恐れている。実は北朝鮮にとって一番、安心安全に付き合えるパートナーは日本だ。北朝鮮の改革開放を誘導するのは日本の役割ではないか。拉致問題で正恩氏に腹をくくらせるよう、交渉する意志を発信する時期に来ている。

2012年3月31日 無断転載禁止