紙上講演 共同通信社特別編集委員兼論説委員 西川孝純氏

共同通信社特別編集委員兼論説委員 西川孝純氏
 消費税国会と野田内閣の行方

 関連法案審議の6月ヤマ場

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブの定例会が20日、米子市内であり、共同通信社特別編集委員兼論説委員の西川孝純氏(63)が「消費税国会と野田内閣の行方」と題し消費税増税関連法案をめぐる通常国会、解散のシナリオについて講演した。要旨は次の通り。

 社会保障と税の一体改革大綱が17日に閣議決定され、今後は関連法案が国会へ提出される。民主党の小沢一郎元代表グループは法案への反対姿勢を強めるが、政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢氏の判決が出るまで動きはないだろう。

 問題は関連法案審議がヤマ場を迎える6月。4ケースが考えられる。

 一つは小沢氏に無罪判決が出た後、小沢グループが勢いづくパターン。法案審議が野党の抵抗で進まず野田内閣の支持率が低下し、内閣不信任案可決、総辞職に至り、民主党代表選が前倒し実施される―。これが小沢氏の最良のシナリオだ。グループが結束して新代表を担ぐこともあり得る。

 ほかの三つは衆院解散・総選挙に至るケース。関連法案の衆院採決で、小沢グループなどから大量造反が出て否決された場合▽衆院可決後に参院で否決された場合▽自民党が法案に賛成し、成立にこぎ着けた場合の「話し合い解散」―だ。話し合いなら解散は7月末、総選挙は8月か。

 しかし支持政党なしの無党派が拡大する中で、民主、自民両党が単独過半数を取るとは思えない。橋下徹大阪市長の政治手法には危うさを感じるが、大阪維新の会が「爆発」する可能性はある。

 比較第1党は自民、公明の連立かもしれないが、それでも過半数は取れず、参院との「ねじれ状態」が続くだろう。国難克服に向け、ねじれにはピリオドを打たねばならない。首相のリーダーシップ、政治家の姿勢、有権者の意識が大きく問われる。

2012年2月21日 無断転載禁止