島根政経懇話会 駒大教授瀧音さん講演 大国主テーマに

「オオクニヌシの原風景は朝山郷にある」と説く瀧音能之さん=松江市千鳥町、ホテル一畑
 出雲国風土記の研究者として著名な駒沢大教授の瀧音能之さんを講師に招いた島根政経懇話会新春例会が25日、松江市内であった。「オオクニヌシ神の原像を求めて」と題し講演した瀧音さんは、もともとオオクニヌシ(大国主)の信仰基盤は神門郡朝山郷(出雲市朝山町など)にあり、東部出雲を支配する出雲国造が西部出雲を支配した際、出雲全体の神が必要となり出雲大社に祭ったとする新知見を発表した。

 例会は、7月から「神話博しまね」が始まるのにちなみ、神々の国しまね実行委員会アドバイザーと島根県古代文化センター客員研究員を担う瀧音さんを招いた。

 瀧音さんは古代の戦を「武力で圧倒するだけでなく、祭祀(さいし)権、すなわち祭っていた神を取り上げることで服従が完結する」と指摘。出雲国風土記の朝山郷に、宇比多伎(ういたき)山など六つの山をオオクニヌシの宮殿や矛、冠などに見立てる記述が集中するため「朝山郷にオオクニヌシを信仰する基盤と原風景があった」と考察。

 「出雲国造が西部出雲を支配した時に信仰権を奪い、オオクニヌシを出雲の神として迎え、出雲大社に祭った」と説き、出雲大社境内遺跡から古墳時代のかじ工房跡が見つかったことから、現在の場所における出雲大社の成立を「早くみて古墳時代」と捉えた。

 新春例会では溝口善兵衛島根県知事が、古事記編さん1300年の今年7月21日から11月11日まで出雲市大社町で開催される「神話博しまね」について神話映像館などの見どころを紹介。古くからの歴史文化が息づく島根の魅力を発信する意欲を示した。

2012年1月26日 無断転載禁止