紙上講演 神戸国際大学教授 中村智彦氏

神戸国際大学教授 中村智彦氏
 中小企業の生き残り戦略~営業力をいかに強化するか

 自社の強みアピールを

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が24、25の両日、松江、米子両市内であり、神戸国際大学経済学部の中村智彦教授(47)が「中小企業の生き残り戦略~営業力をいかに強化するか」と題し、地方の企業が厳しい経済状況下で活路を開くためのヒントを提言した。要旨は次の通り。

 2008年秋のリーマン・ショックや、東日本大震災で地域経済が衰退したと言われるが、果たしてそうだろうか。

 国内メーカーの自動車生産台数は、06、07年には海外生産が半数を占め、国内の下請け企業は部品の値下げを求められるなど構造変化が既に起きていた。リーマン・ショックや大震災は変化を加速させただけ。「震災のせいだ」などと嘆くのではなく、本質を見据えて対応しなければならない。

 自動車産業に限らず、大手メーカーは海外生産を増やし、利益を上げている。一方、少子高齢化の進展で国内市場は縮小の一途をたどっている。「うちは下請けだから」という考えを捨て、積極的に自社の魅力をPRしないと、中小企業は生き残れない時代だ。

 印刷会社を営む知人は、納入したチラシをパチンコ店の従業員が1枚ずつ並べてガラス窓に張る姿を見て、次に受注した際、何枚もつながった裁断前のチラシを届けた。すると、とても喜ばれ、評判を聞いた他店からも注文が相次いだという。

 中小企業が生き残るためには、メンテナンスやサービスを含めて自社の強みを見つめ直し、それを積極的にアピールしてほしい。外部の意見も取り入れながら、「強み」や「弱み」を再確認することも大切だ。

2011年11月26日 無断転載禁止