紙上講演 気象予報士・元NHK気象解説者 村山貢司氏

気象予報士・元NHK気象解説者 村山貢司氏
 気象と経済

 異常気象影響さらに深刻化

 山陰中央新報社の島根政経懇話会定例会が2日、松江市内であり、元NHK気象解説者で気象予報士の村山貢司氏(62)が「気象と経済」と題し、温暖化に伴う異常気象と経済活動のメカニズムを解説した。要旨は次の通り。

 世界各地で温暖化が要因の異常気象が頻発している。中東では食料不足をもたらし、政治の混乱を招いた。洪水被害が深刻なタイのように企業活動に直接影響を与える事態も起きている。こうした影響は今後、さらに深刻化するだろう。

 異常気象と経済活動の関係では例えば冷夏がある。冷たい飲み物が売れないため、缶に使われるアルミの出荷量が減り、運送業が低迷する。気象変動が経済活動に及ぼす影響の裾野は広い。

 消費動向で面白いのは、記録的な猛暑となった2010年のケース。本来、売れないはずの「おでん」がヒットした。暑くて冷房を強くしたことからOLは体が冷え、昼食時にコンビニでおでんを買った。企業も「逆の発想」が必要な時代になった。

 気象変動をうまく管理できるかも問われる。短期的には気象情報を利用し、企業活動のリスクが大きい場合は天候デリバティブ(金融派生商品)といった〝保険〟を勧めたい。長期的には社会やエネルギー事情がどう変化するかをつかむ必要がある。

 温暖化時代の成長戦略のキーワードは、水道と鉄道、火力発電。日本の淡水化技術や燃焼技術は世界最高水準だ。温暖化に伴うエネルギーの変化に全て対応できる。もっともっと世界に出て行けばいい。

2011年11月3日 無断転載禁止