紙上講演 元NHKアナウンサー 吉川精一氏

元NHKアナウンサー 吉川精一氏
 「わたしの人生論」

 奉仕の原点「ありがたい」

 山陰中央新報社の石見政経懇話会と石西政経懇話会が21、22の両日、浜田、益田両市内であり、元NHKアナウンサーの吉川精一氏(70)が「わたしの人生論」と題して講演した。要旨は次の通り。

 これまでの人生を振り返ると、迷ったら前に進んできた。

 1カ月ほど前に、東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市にあるFM局の「ラジオ石巻」を訪ね、厳しい状況下で放送を続けている同局の生放送番組に出演したほか、1時間の演歌番組を10本制作した。

 市民の役に立てたかは分からないが、私にとっては意義深かった。

 これまでも何度かボランティアをしてきたが、今回の活動を通し「させていただいた」「ありがたい」という意識をボランティアの原点に持たなければならないと、あらためて感じている。

 私は早稲田大を卒業後、NHKに入局し6年間、275回の「のど自慢」でアナウンサーを担当した。

 思い出深いのは山梨県春日居町(現笛吹市)で出演した当時24歳の女性。1週間後に結婚を控え、会場を訪れた母親に贈るつもりで「秋桜(コスモス)」を歌った。

 残念ながら不合格だったが、短いインタビューを通して女性の母親に対する感謝の気持ちを伝えることができ、会場から大きな拍手が送られた。

 6年間の「のど自慢」を通して、人との出会いに支えられながら生きるということを学んだと実感している。

 現在は歌手になり、少年時代の夢を実現できた。これから歌手として人生を完全燃焼したいと思っている。

2011年6月23日 無断転載禁止