紙上講演 国際戦略情報研究所代表取締役・CEO 原田武夫氏

国際戦略情報研究所代表取締役・CEO 原田武夫氏
 動き始めた北朝鮮情勢~あり得べき米朝国交正常化、そして日本へのインパクトを考える

 米、韓の変化見逃すな

 山陰中央新報社の石見政経懇話会と石西政経懇話会の定例会が23、24の両日、浜田、益田両市内であり、元外務省職員で、原田武夫国際戦略情報研究所(東京都)の代表取締役・CEOの原田武夫氏(39)が「動き始めた北朝鮮情勢~あり得べき米朝国交正常化、そして日本へのインパクトを考える」と題して講演した。要旨は次の通り。

 拉致問題があるため、日本人は北朝鮮に繊細な感情を抱いているが、日本と北朝鮮の関係を考えるにはまず、広い視点から北朝鮮の実態を把握する必要がある。

 北朝鮮には「貧乏な国」というイメージがあるが、必ずしもそうとは言えない。山岳地帯では原子力燃料となるトリウムが産出されているほか、石油の推定埋蔵量は400億バレルと、石油埋蔵量世界第9位のリビアや10位のナイジェリアに匹敵する量だ。

 実は、資源は豊富にあり、世界の国々からすれば、北朝鮮は非常に魅力的な国だ。

 一方、韓国経済には「5年周期説」があり、2013年が不況に陥るとする分析を踏まえると、今後数年の間に、韓国と北朝鮮が経済統合する可能性がある。

 さらに、米民主党政権の「積み残し案件」といえる米朝国交正常化に向け、米国が対北政策を転換して北朝鮮への歩み寄りを図ることが考えられる。

 日本は、韓国と北朝鮮の接近や米朝関係の変化を想定したうえで、対北戦略を取らなければ、世界の潮流から取り残されかねない。日本にとって、これから数年間の北朝鮮とのつき合い方は非常に重要な意味を持つ。

2011年2月25日 無断転載禁止