紙上講演 インサイドライン編集長 歳川隆雄氏

インサイドライン編集長 歳川隆雄氏
 2011年の政局を読む

 仙谷氏の野党人脈が鍵

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブ、島根政経懇話会の定例会が20、21の両日、米子、松江両市内であり、国際政治経済専門情報誌「インサイドライン」の歳川隆雄編集長(63)が「2011年の政局を読む」と題し、波乱が予想される通常国会の展望や解散総選挙の見通しを語った。要旨は次の通り。

 菅直人首相は今回の内閣改造で、民主党の岡田克也幹事長の推挙を受け、78歳の藤井裕久元財務相を官房副長官に起用した。官僚の掌握力、法案作成、国会対策での藤井氏の蓄積を生かす考えだ。今後は岡田氏と藤井氏、党代表代行に就いた仙谷由人氏と枝野幸男官房長官という二つの軸の上に立ち、政権運営を行う。

 小沢一郎元党代表をめぐっては、とことん「対立路線」を進める。同氏の強制起訴時に離党勧告することは、間違いない。小沢氏は受け入れないだろうが、菅首相と岡田氏は選挙の公認権や資金を盾に、時間をかけて小沢氏から人をはがしていく。小沢氏は裁判では無罪となる可能性が高いが、政治生命は事実上終わったと考えている。

 一方、国会は3月に大きな波乱が待ち受けている。菅首相が、11年度予算の関連法案を通す代わりに退陣するか、解散総選挙に打って出るかの選択を迫られる状況が十分にあり得る。

 ポイントは、仙谷氏が自民党の大島理森副総裁、公明党の井上義久幹事長との連綿とした付き合いをどう生かすか。

 仙谷氏が与野党協議を進めることができれば、環太平洋連携協定(TPP)や、税と社会保障の一体改革などの政策を軸に大連立がまとまる。そうなれば、解散総選挙は年内か、12年度予算が成立した後の12年6月ごろとなる可能性がある。

2011年1月22日 無断転載禁止