紙上講演 共同通信社編集局整理部長 井原康宏氏

共同通信社編集局整理部長 井原康宏氏
 民主党分裂と衆院解散・総選挙の行方

 「野田おろし」の波乱も

 山陰中央新報社の石見政経懇話会と石西政経懇話会の定例会が9、10日、浜田、益田両市であり、共同通信社編集局整理部長(前政治部長)の井原康宏氏(51)が「民主党分裂と衆院解散・総選挙の行方」と題し講演した。要旨は次の通り。

 衆院の解散時期として、一体改革の関連法案成立後▽今国会会期末▽10月の臨時国会中▽来年1月の通常国会中―の四つのタイミングが考えられるが、民主党内で野田佳彦首相おろしの波乱が起こることもあり得る。

 250人の民主議員のうち9割は、早期解散に反対している。一体改革やオスプレイ配備など不人気政策を抱え、選挙に勝てる可能性が低いためだ。

 一体改革関連法案成立の前提となった民主、自民、公明の3党合意は文面に落とし込まれていない口約束であり、トップを替えてしまえばほごにできると考える議員は多い。

 総選挙で焦点になるのはいわゆる「第三極」の動き。大阪維新の会とみんなの党が東西で互いの候補を推薦し爆発的な議席数を獲得することも考えられる。民主、自民、公明3党は選挙後、大連立を組まなければ政権を維持できない可能性が高い。

 民主党政権を振り返ると、物事が前に進まず、決められない政治だったことに終始する。政党として成熟していなかった結果で、国民はマニフェストに踊らされた形になった。

 今こそ政治と官僚のシステムを改革し、政治自体のリーダーシップを高めることが政治家に求められている。

2012年8月11日 無断転載禁止