紙上講演 「インサイダー」代表兼編集長 高野孟氏

「インサイダー」代表兼編集長 高野孟氏
 日本再編計画~混迷する政治からの脱却

 脱「官僚」「安保」「原発」

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が19、20の両日、松江、米子両市内であり、「インサイダー」代表兼編集長のジャーナリスト・高野孟氏(68)が「日本再編計画~混迷する政治からの脱却」と題し、政治が目指す方向性を提言した。要旨は以下の通り。

 3・11以降、永田町では「あの党とこの党がくっつくと数がいくらになるか」という政局の見方に、意味がなくなっている。

 私たちは、自然を重んじてきた農耕文明に帰らなければいけない。金さえ出せば何でも買えるという暮らしを根本的に反省するべきだ。そうした暮らしを取り戻すための具体的な政策の柱は「脱官僚」「脱安保」「脱原発」。どの政治家が、どういう手段で実現していくかで、政局の行方を見たい。

 「脱官僚」は、日本は官僚主導で1970年代後半から80年代にかけて発展途上国を卒業した。そこで頭を切り替えるべきだったのに、できなかった。われわれ自身が、成熟した(政策)判断を養わないといけない。

 「脱安保」は安保政策をやめるという意味ではなく、米中の国内総生産(GDP)の逆転が予想される中、21世紀の繁栄の中心は中国、インド、ロシアなどのユーラシア大陸に移る。東アジアのつながりを大切にしながら、ものづくりを中心とした成長戦略を考えるべきだ。

 「脱原発」は一時期はCO2削減問題に目をつむり、火力発電に頼るが、将来的には「世界初の水素エネルギー社会」の実現を目指さなければならない。

2012年9月21日 無断転載禁止