(6)人麻呂と依羅娘子の銅像

柿本人麻呂の銅像
 万葉のロマンス後世に

 万葉歌人・柿本人麻呂の石見国の妻・依羅娘子(よさみのおとめ)の生誕地とされる江津市。人麻呂が都へ帰る際、妻との別れを悲しんで詠んだ「石見相聞歌(そうもんか)」には、同市と思われる地名が登場し、万葉集の中でも秀歌として知られる。

 1300年前に生まれたこのロマンスを後世に伝えようと2006年、江津市島の星町の高角山公園に人麻呂と依羅娘子の銅像が設置された。

依羅娘子の銅像
 いずれも同市嘉久志町の彫刻家・田中俊?さん(69)の作。

 人麻呂は左手を掲げたポーズで、別れた妻の家の辺りが見たいと、視界を阻む山に対して「靡(なび)け」と叫ぶ長歌に詠まれた場面を描写。依羅娘子は右手を胸に当て、別れのさみしさを表現した。

 銅像建立の発端は20年前、田中さんが飲食店で同席した客の発した「江津には何もない」というぼやきへの反論から。「ふるさとが誇る人麻呂と依羅娘子のロマンスを、分かりやすい形で伝えたい」と構想を温め、05年に市民有志による万葉銅像建立実行委員会が発足。寄付を募り、建立にこぎ着けた。

 公園内の小高い丘に立つ人麻呂像から、20メートル離れた場所に設置した依羅娘子像は、台座が回転する仕掛けで、人麻呂像と向き合わせることができる。

 また、石見相聞歌の朗詠が音声で流れる装置が併設されており、万葉ロマンの一場面を味わうことができる。

 ~メ モ~

 ◇駐車場 あり

 ◇問い合わせ 江津市観光案内所、電話0855(52)0534

2012年5月20日 無断転載禁止