(10)安楽寺の浅原才市碑(大田・温泉津)

安楽寺境内にある浅原才市碑
 信心あふれる言葉刻む

 仏教に基づく仏心の言葉を数多く残し「昭和の妙好人」「石見の才市(さいち)」といわれ、地元大田市温泉津町の人々らに慕われた浅原才市(1850~1932年)の石碑が、同町の安楽寺(梅田淳敬住職)の境内にある。

 浄土真宗の信徒として、信心あふれる言葉を詩の形式で表し、仏教学者・鈴木大拙氏により哲学的にも優れた内容と世界的に紹介され、宗教詩人としてその名が知られている。

 浅原才市は45歳のころ、福岡県から出身地の同町に戻り晩年まで過ごし、下駄作りなどをしながら、心に浮かんだ仏心の言葉や句を書き留めた。

 句は約7千首あり、その含蓄深い句は「口あい(詩)」といわれ、人々の心を打つ。

 石碑は1956(昭和31)年、地元住民らでつくる「石見の才市顕彰会」が、才市の25回忌に際して安楽寺境内に建立。

 碑には「かぜをひけば せきがでる さいちがごほうぎのかぜをひいた ねんぶつのせきがでるでる」と刻んである。

 淳敬住職の母、クニヱさん(82)は「才市さんが無心で詠んだ気持ちを感じてもらえたら」と話す。

 寺の本堂には、才市が書き留めた冊子などの遺品なども展示している。同寺から徒歩5分の場所に、才市が70歳ごろから過ごしたと伝わる民家もある。

 ~メ モ~

 安楽寺には駐車場あり。事前連絡で都合が合えば解説も行う。問い合わせは同寺、電話0855(65)2241。

2012年6月17日 無断転載禁止