(11)西周旧宅(津和野・後田)

国指定史跡の西周旧宅。右奥の土蔵の1階は周の勉強部屋と伝えられる
 勉強部屋は当時のまま

 津和野町出身の思想家で、日本哲学の祖とされる西周(にしあまね)(1829~97年)が4歳から21歳まで過ごしたのが、同町後田の西周旧宅だ。1987年7月、国指定史跡となり、町が管理している。

 周は津和野藩主の御典医(ごてんい)の家に長男として生まれ、幼少期から英才教育を受けた。6歳から祖父に論語などを学び、12歳で藩校・養老館に入り蘭学を学んだ。

 津和野藩は浜田、長州両藩に接しており、幕末の激動期に藩主を務めた亀井茲監(これみ)は政策的に人材育成を重視。藩主に才能を認められた周は、19歳のときから養老館で朱子学の研究に専念したという。

 旧宅は約1100平方メートルの敷地に木造かやぶき平屋建ての母屋(約90平方メートル)と瓦ぶき2階建ての土蔵(延べ約50平方メートル)の2棟があり、庭園、土塀を配している。町教育委員会によると小規模な武家屋敷の構えをよくとどめているという。

 母屋は1853(嘉永6)年4月の大火で全焼した後再建され、6畳間1部屋、4畳間、3畳間各2部屋がある。土蔵は焼失を免れ、周の勉強部屋と伝えられる1階の三畳間は当時のまま残る。母屋の障子、土蔵の入り口は開放されており、外から見学できる。

 冬場の雪かきなど管理に当たる町教委文化振興係長の米本潔さん(43)は「学問の面での業績にあやかりたいと、観光客だけでなく大学入試を控えた受験生が訪れることもある。多くの人に周について知ってほしい」と話す。

 ~メ モ~

 入場無料で、午前9時から午後5時まで見学できる。年中無休。問い合わせは津和野町教育委員会、電話0856(72)1854。

2012年6月24日 無断転載禁止