(15)獏の玉枕(川本・湯谷)

長江寺に伝わる寺宝「獏の玉枕」。夢の実現を願って参詣する来訪者も多い
 戦功たたえ将軍が授与

 「結婚や仕事の夢をかなえてほしいと、若い人たちも拝みに訪れますよ」。川本町湯谷の古刹(こさつ)・宝重山長江寺の吉村昇道住職(71)の案内で本堂裏の小部屋「開山堂」に通してもらうと、木箱の中に大事に納められた黒光りする奇妙な動物の顔の置物に目を奪われた。

 悪い夢を食べるといわれる想像上の動物「獏(ばく)」の頭をかたどった寺宝「獏の玉枕」だ。

 長江寺を菩提(ぼだい)寺とした当地の有力大名・小笠原氏の12代当主・長隆(ながたか)が、室町幕府12代将軍足利義稙(よしたね)から戦功をたたえられ、授かったとされる。以来、寺で460年以上、大切に保管されている。

 高さ約20センチの枕は中国製で、言い伝えによると「難儀なことを天に返す」との意味合いから、南天(なんてん)の木で作られているという。

 悪夢を食べることから転じて、夢をかなえてくれる開運の宝として近年、注目され始めた。町民グループ「きBAKUねっと」(堂面とき子会長)が陶製の置物など愛らしいバクグッズを製造し、川本町内の道の駅などで販売している。

 ~メ モ~

 拝観無料だが、事前連絡が必要。駐車場あり。問い合わせは長江寺、電話0855(72)1150。

2012年7月22日 無断転載禁止