紙上講演 東海大海洋学部教授 山田 吉彦氏

東海大海洋学部教授 山田 吉彦氏
 日本の国境、領土問題

 尖閣、竹島対応に知恵を

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が18、19両日、浜田市と益田市でそれぞれあり、東海大海洋学部の山田吉彦教授(50)が「日本の国境、領土問題」と題して講演した。尖閣諸島や竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島(トクト))などをめぐる問題の背景を解説しながら、取るべき対応を説いた。要旨は次の通り。

 尖閣諸島は1885年に日本が無人島だと確認し、95年の閣議決定で沖縄県に編入。まぎれもない日本の領土だ。

 これに対して中国は古文書などを基に、日本に取られたと言っているが意味がない。少なくとも85年から中国が自国領土だと主張し始めた1971年まで、占有していないからだ。国際的には「占有の継続」がなければ国家としての管理放棄とみなされる。

 今後、日本に求められるのは、尖閣周辺を環境や漁業資源すべてを国家が管理する海域として、国連に申請すること。中国による軍事拠点化と漁業資源の乱獲は何としても防がないといけない。

 一方、竹島をめぐっては「返せ」と言うだけでなく、知恵を使わないといけない。

 韓国を国際司法裁判所に出てこさせたいのなら、日韓漁業協定をなくしてしまうように動くことだ。同協定では竹島周辺と同様、長崎県の鳥島周辺も日韓の漁船が漁を行える暫定水域としている。韓国はそこから追い出されると、竹島周辺の3倍ぐらい大きな漁業水域を失うことになり、「ちょっと待ってくれ」と言い出すはず。尖閣の裏返しだが、古文書を日本が持ち出しても解決は難しい。

2012年10月20日 無断転載禁止