レッツ連歌(下房桃菴)・10月25日付

(挿絵・FUMI)
◎Lがもひとつ足りないのよねェ

そのままがいいよと言ってくれた人

               (浜田)滝本 洋子


◎トカゲ出てきてオレを見上げる

いつぞやのシッポ返せと仲間連れ(飯南)塩田美代子


◎定年間近チラつく勲章

女房はただ待っている退職金  (松江)杉本 末吉


◎ひたすら唱える般若心経

灯がゆれる丑三つ刻の奥の院  (美郷)遠藤 耕次


◎長いキセルで莨ぷかぷか

ジイさんの引き出し開けた好奇心(益田)石田 三章

雁首は揃ってるかと睨めまわし (益田)小倉  豊


◎座れば浮かぶ名句つぎつぎ

立てばまた池の周りをぐるぐると(松江)中西 隆三

抽選で特製マットプレゼント  (益田)黒田ひかり


◎帰ったはずの孫の空耳

手花火の燃えさし残る月の庭  (出雲)原  陽子

寝ていてもなあにと返事する私
             (隠岐の島)中前さつき


◎学芸会の写真見つかる

あの時も腰の曲がったおばあさん(大田)沢江 洋子


◎防犯カメラ作動中です

分かるよう分からぬように付けておく
               (雲南)横山 一稔

無意識に髪撫でつけて通るクセ(江津)花田ヨシアキ

店頭に晋ちゃんまんじゅう復活し(益田)石川アキオ

天井に届かんばかり島根米   (松江)岩田 正之


◎もう二周した堀川遊覧

あと一歩あと一押しでうまくいく(松江)山崎まるむ

逃げ出したペットの亀は見つからず
               (松江)渡部 靖子


◎突貫工事は夜が明けるまで

銀行の地下金庫まであと五ミリ (松江)木村 更生


◎かならず戻る議員会館

女房が突然来ても大丈夫    (浜田)勝田  艶


◎日帰りのくせ大げさなヤツ

四五枚は季節はずれの服も入れ (出雲)川上 梨花

ご近所に配る土産が持ちきれず (松江)佐々木滋子

初めての人間ドックにビビる父 (大田)掛戸 松美

この手紙もしもの時に開けてくれ(益田)吉川 洋子


◎踊り狂ったよさこいの夏

町おこし実行委員やりとげて  (益田)竹内 良子


           ◇

 今に出入りでも始まろうかという豊さんの作。「キセル」の縁で「雁首」を持ち出したあたり、俳諧連歌の古典『犬つくば』をほうふつさせる句作りです。

 ああいう辞め方をして、ああいうやり方で復活した政治家本人ではなく、「まんじゅう」を持ってきたところが、アキオさんのうまいところ。

 ところで、この饅頭(まんじゅう)の話、本当のことだそうですね。正式な名は、「帰ってきた~!晋ちゃんまんじゅう」だとか。あまりのことに、びっくりしました。

 もうひとつ、政治家の話題―。議員会館に「戻る」というのは、選挙があって、再選されて、そして戻ることだとばかり思っていましたが、もっとずっと短いサイクルの「戻る」もあったのですね。議員「宿舎」の方も気をつけましょう。

           ◇

 次は例によって、今日の入選句のどれかを前句に選んで、またまた楽しい七七を付けてください。

           ◇

 それから、十一月のスペシャルの前句は、

  いつも座れるバスが満員

 いったいどうしたことでしょうか。

 こちらには、五七五の句をお願いします。

2012年10月25日 無断転載禁止

こども新聞