女子ログ 山からのプレゼント

 若い頃、まだシーズン前の富士山に登ったのが初めての登山だった。天気は雨で視界ゼロ。そのうえ気温0度、寒くてしんどいことしか思い出にない。もう山はこりごりだと思っていたのだけれど、たまたま行ったアウトドアショップの店長に、山の魅力を教えてもらったおかげで山にはまり、国内外の山へちょくちょく行くようになった。

 山で見たものは日常の景色とは違う。たとえば3千メートル級の山からみる星空は手が届きそうなくらい近い。宝箱をひっくり返したような数の星を眺めていると、自分の小ささを感じ、悩みなんてどうでもいいやと思えるようになる。そして山で見る御来光は自然と涙が出てくるような美しさで、体の中に太陽の光がスーと染み込み、心にはりついていたコケをきれいに洗い流してくれる。山頂までは決して楽ではないけれど、登った先には達成感というプレゼントも待っている。

 最近は近場の低い山しか行かなくなったが、山からもらえる特別な景色や達成感は低い山でも同じである。そんな山からのプレゼントは忙しい毎日の私の心をリセットしてくれる。さぁ、そろそろ山に行かないと、と思うのである。

 (松江市・やだもん)

2012年11月14日 無断転載禁止