紙上講演 医療ジャーナリスト 植田美津恵氏

医療ジャーナリスト植田美津恵氏
 現代に活かす戦国武将の健康力

 粗食、運動、心穏やかに

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が17、18両日、浜田市と益田市でそれぞれあり、医療ジャーナリストで医学博士の植田美津恵氏(54)が「現代に活(い)かす戦国武将の健康力」と題して講演した。武将がかかった病気に絡め、予防や克服の方法を解説した。要旨は以下の通り。

 現代の日本人の死因のトップはがん。戦国武将でも徳川家康、伊達政宗、毛利元就はがんで命を落としたとされる。豊臣秀吉の死因も諸説あるが、前立腺がんだった可能性が高い。武田信玄は肺結核説のほか、肝臓がん、胃がんの説がある。

 徳川家康は胃がんで亡くなったとはいえ75歳まで生き、長生きした武将の代表例。たばこ嫌いで粗食、好きなタカ狩りで運動していたことなどが良かったようだ。

 一方、上杉謙信は脳血管障害で死亡したとされる。酒好きな上、キレやすい性格が災いしたのだろう。本能寺の変に倒れた織田信長も、性格から相当に高血圧だったと考えられる。

 配偶者に先立たれると、女性より男性の方が余命が短くなる。そうした精神的なもろさを示した代表例は毛利元就。妻の妙玖(さく)を亡くし、嘆き悲しむ手紙をたくさん残した。パートナーを大事にし、共に長く暮らすのは認知症予防にも有効だ。

 年を取れば病気になることは避けられず、辞世の句を残すなど覚悟を決めておくのも一つの手だ。伊達政宗の言葉に「この世に客に来たと思えば何の苦もなし」とある。私自身、乳がんを経験した際、この言葉に元気づけられた。

2012年12月19日 無断転載禁止