(27)長安八幡宮の並木杉(浜田)

長安八幡宮の石段脇にある幹回りが最も太い大杉の前に立つ寺本博宮司
 樹齢600年超す弥栄の象徴

 浜田市弥栄町の永岳山山頂に鎮座する長安八幡宮(寺本博宮司)には、県内でも珍しい老杉として県の天然記念物に指定されている並木杉がある。樹齢600年を超える5本の杉は高さ33~43メートルの威容を誇り、八幡宮を守る神木、弥栄のシンボルとして長く地元住民から愛されてきた。

 5本の杉は社殿から鳥居までの石段の両側に3本が立ち並び、2本は境内に立つ。このうち石段の脇にある最も大きい杉は樹齢約800年で幹回り6・4メートルの太さに及ぶ。

 ただ、樹齢の長さに加えて豪雪や台風の影響で樹勢の衰えも顕著。枝や幹の腐食が進む。さらに2008年7月には落雷で、境内に立っていた高さ33メートルの杉に長さ3メートル以上の亀裂が入った。

 それでも瀕死(ひんし)の状態に陥った杉は枝の上部約10メートルを切断するなどして処置することで、今も境内にあるこま犬の近くで、天に向かってそびえ続けている。

 毎朝5本の杉の前に立ち、両手を合わせて神木に感謝の祈りをささげるという寺本宮司(87)は「人間でいえば5本とも私のように高齢。いつまでもつか分からないが、少しでも長く持ちこたえてほしい」と話す。

 山里の風情を色濃く残す弥栄の街を見下ろす位置に立つ並木杉。今年の師走も、すでにうっすらと雪化粧した八幡宮の景色に彩りを添えている。

2012年12月27日 無断転載禁止