紙上講演 商船三井会長 芦田昭充氏

商船三井会長 芦田昭充氏
 日本再生への思い

 世界に誇れる住みやすさ

 山陰中央新報社の島根政経懇話会の定例会が22日、松江市内であり、商船三井の芦田昭充会長(69)=雲南市出身=が中国や韓国の経済情勢を解説しながら、「日本再生への思い」と題して講演した。要旨は次の通り。

 日本は、国内総生産(GDP)で中国に世界2位の地位を譲ったが、住みやすさでは世界最良の国であることに変わりない。例えば、日本は社会保障制度が完備され、国民皆保険が当たり前だが、米国は6500万人もの国民が無保険状態にある。急患でも、金がなければ診てもらえない。

 社会の平等さも特徴だ。今でも貴族出身者が優遇されるような場面がある欧州に対し、階級格差はなく、所得格差も他国に比べて小さい。自然、自由、社会基盤、文化、歴史、経済力の要素が全て高い水準でそろっている。

 一方、中国の内情は課題が多く、経済力も実質の力は「六掛け」とされる。GDPの高い成長率は、インフレと人民元レートの切り上げが数字を押し上げている側面が大きい。GDPに占める国民所得の割合も35%しかなく、豊かになったとは言えない状況がある。

 さらに、韓国には重工業や電機分野で急成長した企業があるが、ウォン安に起因する。国が輸出拡大政策を進めてきた結果だ。

 逆に、日本は円高に苦しんできた。商船三井も1円の円高で、売り上げが200億円、利益が20億円減る。それだけに、最近の円安を歓迎している。今後はウォン高が進むと予想され、韓国企業は厳しい局面を迎えるだろう。

2013年1月23日 無断転載禁止