(29)聖観世音菩薩像(江津)

2012年5月、33年ぶりに公開された福泉寺の聖観世音菩薩像(資料)
 古くから温泉街見守る

 石見地方有数の湯どころとして知られる有福温泉(江津市有福温泉町)。風情漂う温泉街近くの福泉寺には、温泉が見つかった1300年以上前から伝わる秘仏・聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)像が収蔵されている。

 同寺25代目の泉道隆住職(63)は「古くから温泉街を見守ってきた守り仏」と話す。

 菩薩像は、同温泉を発見した法道仙人が651(白雉2)年ごろ、同地に置き去ったとされる金と銅でできた仏像で、高さ31・5センチ、重さ2・5キロ。岩に腰掛けたポーズで、切れ長の目、穏やかな表情が特徴だ。

 県の有形文化財に指定されており、普段は見ることができず、33年ごとに同寺で公開。昨年5月の公開時には秘仏をひと目見ようと市内外から期間中の1週間で約500人が訪れ、手を合わせてこうべを垂れた。

 秘仏のほか、貴重な古文書を収蔵する同寺では、約20年前から文化財防火デー(1月26日)の時期に合わせて防火訓練を実施。

 ことしも今月20日、地元消防団員がきびきびとした動作で放水手順を確認し、地域の宝を守る意識を再確認した。

 泉住職は「これからも火の元には気を付けて、しっかり仏像を伝えていきたい」と決意している。

2013年1月31日 無断転載禁止