レッツ連歌(下房桃菴)・2月28日付

挿絵・カールおじさん
◎衛星の画像見ながら瞑想し

六十年のテレビ放送      (雲南)板垣スエ子


◎テレビ局やっぱり金がないらしい

大事なとこでうるさいCM   (川本)高砂瀬喜美


◎当たる日も当たらない日もある仕事

那須ノ与一は神に祈って    (松江)持田 高行

大物狙う冬の海釣り      (益田)竹内 良子


◎これがまた不思議なくらいよく当たる

上がり框にテーブルの角    (安来)原田玖美子


◎信じるかどうかはあなた次第です

一月後にはズボンがユルユル  (大田)掛戸 松美

六十五歳から高齢者      (美郷)源  瞳子

赤ちゃん運んできたコウノトリ (松江)木村 敏子

三本の矢で日本再生      (松江)森広 典子


◎人生は所詮晴れたり曇ったり

老いにも慣れて日々是好日   (松江)松田とらを

次から次へと同じスピーチ   (大田)杉原サミヨ


◎ずぶ濡れになって父さん帰って来

人命救助で表彰をされ     (松江)渡部 靖子

はりきり過ぎた防火訓練    (益田)石田 三章

見せてやりたや纏振るさま   (益田)小倉  豊


◎指し棒が微妙に揺れるおもしろさ

美人ぞろいのママさんコーラス (浜田)飯田 卓子

客に背を向け稼ぐ商売     (松江)多胡 誠夫


◎かみさんのご機嫌だけは分からない

七面鳥と暮らす明け暮れ    (出雲)矢田カズエ

だれにも負けぬ虎の調教    (美郷)吉田 重美


◎ケイタイもパソコンもない独り部屋

散乱してる空きビン空きカン  (松江)本田  章

舌打ちをして空き巣立ち去り  (浜田)勝田  艶

あくびばっかり繰り返すポチ  (江津)花田 美昭

犯した罪を悔いる朝夕     (出雲)放ヒサユキ


◎当たっても当たらなくてもかわいい娘

遠回りして買う宝くじ     (浜田)宇田山 博

ズッコケ解答いつも大ウケ   (松江)木村 更生


◎職場では内緒にしてる夜の顔

オネエ言葉でビール傾け    (益田)石川アキオ

ピンクの名刺うっかりと出し  (川本)栂野  菊


◎科学では解き明かせないこともある

右の足から履けば安心     (雲南)横山 一稔

うそをつくとき爪をかむ癖   (松江)原田 充子

商売繁盛で笹持ってこい    (松江)岩田 正之


◎降る晴れる降る晴れる降る降るでしょう

千秋楽についに負け越し    (出雲)萩  哲夫


           ◇

 以前、教え子の女性の結婚披露宴に招かれたことがありました。スピーチを頼まれていたので、学生時代のエピソードなど、ちょっと気のきいた話題を一つ二つ用意しておいたのですが、ところが当日、受け付けを済ませるや、「実は、新婦方の主賓が急病でお越しになれません。つきましては、まことに恐れいりますが…」というお話。列車の都合で会場に着いたのが開宴寸前。今のようにケイタイがあったわけじゃありません。慌てましたね、そのときは。

 商売がら、人前で話すことにはけっこう慣れておりましたが、フォーマルなあいさつというのは、あんまり得意なほうじゃない。ここは、新郎方の主賓の祝辞を、そっくりそのままマネるほかにはテダテはあるまい。

 というわけで「人生晴れたり曇ったり」だったか、「山あり谷あり」だったか、聞いたふうなことを聞いたとおりにしゃべったのですが、あんな恥ずかしい思いをしたことは、後にも先にもありません。

サミヨさんの句で、悪夢がよみがえりました。

           ◇

 さて、次はまた、今日の入選句のどれかを前句に選んで、五七五の句を付けてください。

 桃菴センセ、ビクビクしながら、お待ちなさっておいでです。


2013年2月28日 無断転載禁止

こども新聞