レッツ連歌スペシャル(村瀬森露)・5月30日付

(挿絵・FUMI)
◎若葉の枝に結ぶおみくじ

老いらくの恋は異なもの味なもの(出雲)矢田カズエ

失せ物はヘソクリだとは言いづらく
               (浜田)滝本 洋子

せがむボク抱き上げ片手貸してやり
               (松江)松田とらを

彼の人と二枚重ねて縒(よ)り合わせ
               (雲南)難波紀久子

婚活で見慣れた顔が右左    (出雲)黒田千華子

夫婦でも全く違う願い事    (松江)木村 敏子

沈みゆく鏡の池の五円玉    (松江)金津  功

もつれても繋(つな)がっている赤い糸
               (川本)栂野  菊

神域はなんじゃもんじゃの花ざかり
               (松江)中西 隆三

次回こそ二人で来たい願い込め (美郷)源  瞳子

幸せが幸せ呼んで幸せに    (江津)江藤  清

平成の大遷宮にツアー組み   (江津)花田 美昭

孫の手を支える祖父の大きな手 (松江)木村 更生

結ばれたお礼参りで児を願い  (松江)持田 高行

来春のサクラサイタを期す覚悟 (益田)石田 三章

遠い日の父の背中は広かった  (松江)多胡 誠夫

人生は理屈じゃないと子に諭し (益田)石川アキオ

仕送りは今年限りとメール来て (松江)岩田 正之

新しい恋が芽生える予感して  (益田)竹内 良子

大吉が出るまで引いて十五本  (松江)余村  正

四月には希望の花を咲かせてね (松江)林谷 悦子

とりあえずお腹へったとすする蕎麦(そば)
               (雲南)安部 小春

           ◇

 平成の大遷宮でにぎわう出雲大社へ行ってきました。電車のアナウンスで参拝の仕方を学習し、いざ境内へ。ふき替えられた屋根が、凛(りん)としていました。特設ステージでの石見神楽も堪能しました。

 おみくじを引いてみたところ、失せ物は「見つからず」でした。ヘソクリを無くした記憶はないのでそれはよいのですが、若いころの体形は戻らないのでしょうか。しかし、願望は「努力によりかなう」だったので、こちらの解釈でいくと、運動すれば何とかなるのかもしれません。

 頑張りすぎて疲れ切ってしまっては元も子もありませんが、努力によりかなうというのは、普通のことのようでいて素晴らしいことです。努力してもかなわないことが続くとまったくやる気をなくしてしまいます。努力しないでもかなうならそれに越したことはないように思いますが、根拠もなくできてしまったことは、次回も同じ場面でできるかどうか自信がないので、逃避に走りやすくなります。

 まじめにやっていなさいという戒めのおみくじだと思って仕事に戻りました。今回は、蕎麦もすすらず、他の神社へとはしごをすることもなくあわただしく帰りましたが、またゆっくりと訪れたいものです。

(島根大法文学部教授)

2013年5月30日 無断転載禁止

こども新聞