石見・石西 「巨大国家・中国の現状と課題、そして日中関係」 興梠 一郎氏

 尖閣諸島国有化で手詰まり状態

       巨大国家・中国とどう向き合うか



   講 師  興梠 一郎氏(神田外語大学外国語学部教授)
   
   演 題  「巨大国家・中国の現状と課題、そして日中関係」



 山陰中央新報社の「石見政経懇話会」「石西政経懇話会」は平成25年6月24日(月)・25日(火)に定例会を開催します。今回は、神田外語大学外国語学部教授の興梠一郎(こうろぎ・いちろう)氏を講師に迎え、「巨大国家・中国の現状と課題、そして日中関係」と題して講演してもらいます。


 尖閣諸島国有化以降、日中関係は最悪の状況が続いている。首脳会談はおろか、外交チャネルは“機能不全”状態に陥っている。尖閣海域では依然として中国船の領海侵犯が続いており、経済面・観光面等の落ち込みぶりは際立っている。韓国と合わせ、アジアの隣人達との“明るい未来像”は描けるのだろうか。

 2013年3月、中国では習近平総書記をトップ(国家主席)とする新指導部が誕生した。首相には李克強氏が就任し名実共に世代交代が実現、最長で向こう10年間にわたり巨大国家の舵取りに当たる。

 強い国家づくりに向けて新たなスタートを切った中国だが、多くの課題も抱えている。新政権は「民族主義」「富国強兵」を掲げる一方で、国内での「格差解消」も標榜する。共産党一党体制下で、果たして民主化への道は辿れるのか。さらに、李首相の目玉政策である「都市化計画」は、新たな格差や乱開発といった懸念も抱える。13億人民を守り繁栄に導く前途は険しい。

 一方、「日中関係」については、依然として“氷解”の余地はなさそうだ。5月、李克強首相は訪問中のドイツで、ポツダム宣言を引用しながら「日本は盗み取った中国の領土を返還しなければならない」と述べ、日本の尖閣諸島国有化を強く非難した。また、同宣言の20日後に日本が無条件降伏したことにも触れながら、「侵略」の定義に関しての安倍首相の発言も批判した。首相就任時に「覇権は唱えないが、領土を守ることも中国の揺るがぬ意志だ」と強調した李氏の外交姿勢を印象づけた格好。

 6月、習近平国家主席が米国を訪問し、オバマ大統領との首脳会談に臨む。前・駐中国大使の丹羽宇一郎氏は「米国頼みの日本を相手にしてもしょうがない」と、中国外交の背景を読む。この先、中国による“日本外し”はさらにエスカレートするのだろうか。

 興梠一郎氏は著書の中で、「目まぐるしく変化する中国を理解するには、新たなアプローチが必要。そのカギは、目覚めた民衆の『民意』である」と主張する。難解な日中の行方をどう紐解くか。

 興梠氏の分析にご期待下さい。


 <興梠一郎氏のプロフィール>

 1982(昭和57)年、九州大学経済学部卒業。三菱商事中国チームを経て、88年カリフォルニア大学バークレー校大学院修士課程修了。91年東京外国語大大学院修士課程修了。96年から99年まで外務省専門調査員(香港総領事館)、2002年から04年まで外務省専門分析員、06年4月から現職。06年から07年まで参議院第1特別調査室客員調査員など歴任。NHK「クローズアップ現代」などに出演。著書に「中国 巨大国家の底流」「現代中国 グローバル化のなかで」「中国激流 13億のゆくえ」など多数。大分県出身、53歳。

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2013年5月31日 無断転載禁止