(35)有福大仏(江津)

有福温泉の大仏殿に鎮座する高さ約3メートルの有福大仏
高さ3メートル 温泉街に鎮座

 1360年の歴史があるとされる江津市有福温泉町の有福温泉。温泉街を見渡す高台にある大仏殿には、高さ約3メートルの仏像・有福大仏が鎮座し、優しいまなざしで温泉客らを見守っている。

 大仏は同町を訪れた大分県出身の彫刻師・佐藤泰梁氏が、1938年ごろ制作。現在、被爆者療養所・有福温泉荘が立地する場所に佐藤氏の住まいがあり、大仏が安置されていたが、同町で商店などを経営していた河野勲さん=故人=が「多くの人に大仏を見てもらいたい」と61年、温泉街高台に大仏殿を建て、大仏を移した。

 大仏はクスノキの大木を材料にして彫られ、見上げるほどの大きさで、顔の部分に金箔(きんぱく)がはられた跡が残る。

 今年4月25日には大仏設置から50周年を祝う法要が開かれ、地域住民ら約100人が出席し、大仏に手を合わせた。また、大仏に宝くじの願掛けをした人が高額当選したとの逸話もあるという。

 大仏殿を管理する河野さんの長男・貴雄さん(65)=江津市有福温泉町、自営業=は「地域の宝として、これからも大切に守り続けたい。大仏殿は見学自由なので、ぜひ見に来てほしい」と話している。

2013年6月20日 無断転載禁止