島根・米子境港 「大丈夫か、日本の危機管理」 志方 俊之氏

 備えあれば憂えなし

   災害・事故・テロ・安全保障

       日本は戦後最大の岐路に立つ



   講 師 志方 俊之氏
            (帝京大学法学部教授・軍事アナリスト)

   演 題 「大丈夫か、日本の危機管理」



 山陰中央新報社の「島根政経懇話会」「米子境港政経クラブ」は平成25年7月30日(火)・31日(水)に定例会を開催します。今回は、帝京大学教授の志方俊之(しかた・としゆき)氏を講師に迎え、「大丈夫か、日本の危機管理」と題して講演していただきます。


 東日本大震災の後、日本は世界から称賛の声を寄せられたが、志方氏は自身の著書「危機 平和ボケ日本に迫る」の中で、日本国民の素晴らしさ(凄さ)として次の5項目を挙げている。(1)被災者が示した我慢強さと秩序ある行動(2)任務に忠実な職員(首長、警察官、消防士、医師、看護師、原発技術者等)の凄さ(3)自衛隊の組織力の凄さ(4)世界163カ国・地域から日本に寄せられた支援の申し出(長年、日本が行ってきた国際貢献活動へのお返し)(5)「トモダチ作戦」で救援活動を展開した米軍の来援(戦後半世紀以上におよぶ日米同盟の証し)―だという。これらの中にはもちろん、義援金や救援物資・ボランティア活動で見せた地域社会の「絆」も含まれる。

 この中でも、とりわけ自衛隊の活動をポイントとして挙げている。有事即応の組織力で比較的早期に10万人超規模の隊員を投入。壊滅状態の被災地で、人命救助のための人海作戦を展開した。そして、自衛隊の活動が高く評価される根拠として、志方氏は「六つの特性」を挙げる。それは▽有事即応性▽自己完結性▽大量動員性▽陸海空自衛隊の統合運用▽日米共同▽装備と能力の特殊性―だ。これら特性が十二分に活かされ、しかも一挙投入という「運用の鉄則」が貫かれたからこそ、素晴らしい評価に繋がったと分析する。

 では、国家安全保障という点での危機管理態勢はどうか。志方氏は、我が国が備えるべき危機を「今そこにある危機(大規模な自然災害・事故・テロ)」「中期的な時間軸で備えるべき危機(核問題)」「長期的な時間軸で備えるべき危機(軍事大国化する中国)」の三つに分類。そしてこれらの脅威を想定した場合、最大の問題は自衛隊員の絶対数不足だと言う。さらに危機管理の基本原則は、『最悪の事態を「悲観的に」想定し、もし万が一それが起こった場合には、計画に沿って「楽観的に」断固対処すること』だと強調する。

 日本を取り巻く外交課題は多い。とりわけ尖閣諸島、竹島、北方四島、そして沖ノ鳥島といった領土問題や朝鮮半島情勢など、待ったなしの懸案が山積する。我が国の防衛態勢はこれまでの「北からの脅威」から、「西からの脅威」に備える方向へと転換されつつある、と言い、尖閣海域での中国の領海侵犯が後を絶たない現在、日本有事の際の備えは「不十分」と警鐘を鳴らす。
 
 今、我が国に求められる危機管理態勢はどうあるべきか、何をしなければならないのか、志方氏に指摘していただく。
ご期待下さい。


<志方 俊之氏のプロフィール>

  1958(昭和33)年、防衛大卒、自衛隊入隊。66年京大大学院工学研究科博士課程修了。77年米陸軍戦略大学国際研究員、81年外務省出向。在米日本大使館防衛担当参事官(ワシントンD.C.)を経て陸上幕僚監部人事部長、第二師団長(旭川)、北部方面総監(陸将)など歴任し92年退官。94年から現職。99年東京都参与として防災ブレーンに就任。主要国軍事関係者とのネットワークを持ち、国際軍事、日本の安保、危機管理の在り方に通じる。著書に「極東有事」「自衛隊に誇りを」「面白いほど分かる自衛隊」「『フセイン殲滅(せんめつ)』後の戦争」「無防備列島」「危機―平和ボケ日本に迫るー」など多数。静岡県出身、77歳。

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2013年7月5日 無断転載禁止