(42)鞆ケ浦(大田)

家族連れらでにぎわう鞆ケ浦
銀鉱石積み出した良港

 世界遺産・石見銀山遺跡の「鞆ケ浦(ともがうら)」(大田市仁摩町馬路)。銀山開発初期の16世紀前半から中ごろにかけて、銀鉱石を積み出した港として知られる。

 博多の商人・神屋寿禎が銀山を開発した当初、採掘された銀鉱石は鞆ケ浦へ運ばれていた。銀山から最短にあり、天然の良港である鞆ケ浦は、銀鉱石を博多まで送る港として発展。買い付けに来る船でにぎわい、繁栄していたという。

 船の係留用の綱を結んだとされる「鼻ぐり岩」が残り、港の歴史をうかがわせる景観が今も残る。

 鞆ケ浦の近くには、石見銀山世界遺産センター(同市大森町)のサテライト施設として「鞆館」が2012年に整備された。鞆ケ浦の歴史や魅力を紹介するパネルを展示している。

 仁摩町馬路には、鞆ケ浦に加え、鳴り砂で知られる琴ケ浜、碁聖とたたえられる江戸時代の棋士・本因坊道策の碑など名所も数多く残る。

 地元の観光資源を利用して地域活性化を図ろうとする動きもあり、同町馬路の馬路まちづくりセンター(泉秀彦センター長)は、地元の名所を巡る町歩きコースを設定。9月23日には同コースを歩くイベントを開催し、市内などから約30人が参加した。

 泉センター長は「鞆ケ浦は馬路の財産。町歩きを継続的な取り組みにしていきたい」と話す。

2013年10月3日 無断転載禁止