レッツ連歌(下房桃菴)・10月10日付

(挿絵・FUMI)
 先にご案内し、レッツ勢からも多数ご応募いただいた第1回「しまだいユーモア連歌大賞」―。明後12日(土)、いよいよ入選作が発表になります。島根大学松江キャンパス内の「島根大学ホール」で、午後2時10分から。「付句道場」でおなじみの、桃菴センセの愉快なトークショーもあります。お近くのかたは、ちょっとのぞいてみてください。

 それから、例年、5月の連休に開かれていた「益田連歌の集い」―。第4回の今年は、11月9日の土曜日、グラントワで開催となりました。ここへも桃菴センセしゃしゃり出て、12時半から「講話」というのは真っ赤な偽り。ちょっとしたゲームで、ただ遊ぼうという魂胆。その後2時間ほど、連歌の実作会。4時からはメーンイベント大懇親会が予定されております。お互い名前だけしか知らなかった同好者同士が、顔を合わせるまたとない機会です。みなさん、ふるってご参加ください。

 お問い合わせと参加申し込みは、「ますだ連歌クラブ」の石田三章さん、電話090(7593)5445まで。

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 実の生らぬ樹(き)は植えぬ爺さん

一等を今年も狙う品評会    (浜田)三隅  彰

お隣の庭からネットはみ出して (松江)山﨑まるむ

孫や子に小遣い弾むお婆ちゃん (松江)佐藤 久絵

熟柿なら種だけ抜けば飲み込める(益田)小倉  豊

休日は近所の子らを招き入れ  (松江)持田 高行

袋掛けしつつ出世の孫思い   (松江)松田とらを

果物が大好きだったお婆さん  (雲南)渡部 静子

婆さんの記念の桜伐り倒し   (出雲)石飛 富夫

切り株にぶつかるウサギ待ちながら

               (出雲)行長 好友

あの山に高速道路つくらしい  (大田)福田 葉摘

例外もある山吹の黄金色    (松江)中西 隆三

語り継ぐ孫も二人と増えている (出雲)川上 梨花

わびさびの心君には分かるまい (松江)田中 堂太

南国の種まで空路持ち帰り   (浜田)松井 鏡子

信念を曲げずに生きる独り者  (松江)野津 重夫

ただ一人汲み取り便所使ってる (雲南)安部 小春

ダンボール孫の数ほど貰って来 (益田)吉川 洋子

よしなさい貰ったほうも困るわよ(松江)金津  功

近ごろはだあれも柿を盗りに来ん(松江)森広 典子

収穫のできるころにはどこにいる(松江)川津  蛙


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 神無月(かんなづき)のころ、来栖野(くるすの)といふ所を過ぎて、ある山里に訪ね入ること侍(はべ)りしに、…小さな庵があって、なにとなくゆかしき趣。と見るに、庭に大きな柑子(こうじ)の木。枝もたわわに実が生っている。が、その木の周りには厳重な垣。で、…すこしこと醒(さ)めて、この木なからましかばと覚えしか。

               (徒然草・十一段)

 とはいうものの、自分の家の木に垣を結おうが結うまいが、それは持ち主の勝手です。兼好のこういうヒネクレたところが私は嫌いなのですが、みなさんはいかがですか。

 豊さん、フィクションとはいうものの、危なくないですか。くれぐれもお気をつけください。

 「南国の種」―、これはヘタをすると違法行為になります。鏡子さんもご注意のほど。

 「汲み取り便所」はばかにしてはいけません。究極のエコ設備です。

 典子さんの句―。柿ドロボーを捕まえるのを老後の生きがいにしている、そういう爺さんもたしかにいるでしょう。ですから、たまには盗んであげてください。

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 さて、今回とは打って変わって、次の前句は、

  燃えるよな恋も一度はしたという

 この句に激しい七七をぶつけてください。

              (島根大名誉教授)

2013年10月10日 無断転載禁止

こども新聞