(43)高角橋(益田)

美しい5連アーチ構造をした高角橋
白く美しい5連アーチ

 県西部を流れる清流・高津川。川が日本海へと注ぐ上流約1・5キロの益田市街地に、美しい白い5連アーチの橋・高角橋(たかつのばし)が架かる。建設から71年たち、市民生活の足を支えるだけでなく、高津川の情景にはなくてはならない貴重な遺産だ。

 橋は1892(明治25)年、同市の須子町と高津町を結ぶ県道に初代の木造橋が架けられた。だが、洪水で橋は幾度となく流出。このため、第2次世界大戦中の1942(昭和17)年、当時としては大規模工事で鉄筋コンクリート製の橋が架けられた。

 設計者は不明だが、その後、継ぎ足された部分を含めて全長261メートル、歩道を含めた幅は7メートル。弓のようにそったアーチ構造で橋を支えるRCローゼ桁橋の形式だ。

 名称は、万葉詩人・柿本人麻呂が詠んだ歌「石見のや 高角山の木の際より 我が振る袖を 妹見つらむか」から名付けられたという。

 橋は2011年10月、社団法人日本土木学会から選奨土木遺産に認定された。地元住民で組織した「高角橋土木遺産登録を勧める会」が、市に登録を働き掛けるなどしてきたことが評価されたという。

 橋を下流側から望むと、美しい5連アーチの背後の小高い山上に高津柿本神社がたたずむ。とうとうと流れる清流・高津川とともに、昭和の懐かしいレトロな雰囲気が、益田市民にとって守るべき貴重な遺産としての姿を今に伝える。

2013年10月17日 無断転載禁止