紙上講演 学習院大教授 野中尚人氏

学習院大教授 野中尚人氏
消費税・アベノミクス・集団的自衛権と安倍政権のゆくえ

経済の立て直しが鍵に

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が24、25の両日、浜田市と益田市であり、学習院大法学部の野中尚人教授(55)が「消費税・アベノミクス・集団的自衛権と安倍政権のゆくえ」と題して講演した。安倍晋三首相の今後の政権運営について、経済の立て直しで高支持率を維持できるかが鍵になると説いた。要旨は次の通り。

 安倍首相がひどい姿で退陣した前回の失敗を踏まえ、官邸は今のところうまく回っているようだ。しかし政権の足元は弱く、支持率が下がった時にどうなるか、予断を許さない。

 首相が来年4月の消費税率引き上げを最終判断したのは、財政再建を重視したというより、引き上げを見送る法改正が難題だと思ったためだろう。ただ、税率を10%に引き上げる次の判断は、より難しくなる。

 アベノミクスをめぐっては、第一の矢の大胆な金融緩和が特に強烈だった。モルヒネを打ったような状況だが、いずれ効き目がなくなる。

 そこで第三の矢とされる成長戦略が重要となるが、国内の人口が減少する中で、投資減税などをしても効果は薄い。給料が増え、新たな投資を誘発するという好循環に、いかに乗せるかが問われる。

 集団的自衛権など安全保障分野については、議論するなとは言わないが、今後3年は経済一本やりで進んだ方がいい。国民にとっては、やはり経済が最重要。株価と給料が支持率を左右するはずだ。

2013年10月28日 無断転載禁止