(44)旧山崎家住宅(邑南)

かぶとの形をした、かやぶき屋根が目を引く旧山崎家住宅
かぶと形の屋根が特徴

 江戸時代後期に建築された庄屋屋敷で、邑南町指定文化財の旧山崎家住宅(同町日貫)。木造平屋の母屋のかやぶき屋根が、かぶとの形をしているのが特徴。地元住民から往時の屋号「隅屋(すみや)」と呼ばれて親しまれ、地域おこしの拠点としても活用されている。

 元の建物は1776(安永5)年の日貫大火で焼失し、3年後に現在の場所に建てられた。山崎家は、戦国大名・大内氏の家臣の子孫とされ、津和野藩領だった日貫村の庄屋を代々務め、建物は、屋根をはじめ、広々とした座敷や大きな梁(はり)などに風格を残す。

 1983(昭和58)年の「58豪雨」で蔵や土塀が流出し、一部が改修された。老朽化による雨漏りも発生し、地元の町おこしグループ「ひぬいプロジェクト」(大岡正行委員長)が中心となって、県内外から新しいカヤを調達し、ふき替え作業にあたっている。

 また、同プロジェクトは昨年から、建物内を会場に、地元の5神楽団による伝統の大元神楽と、田舎料理で来場者をもてなすイベントを開催。春には、女性グループが地元に残る色鮮やかな長浜人形の展示会を開くなど、地域イベントの会場として利用されている。

 日貫地区は今年8月下旬の豪雨で大きな被害を受けたが、建物は無事だった。同プロジェクトの森田修事務局長(61)は「地域の歴史を伝える貴重な宝物を活性化に生かしたい」と、活用策に知恵を絞る。

2013年11月7日 無断転載禁止