山陰心象録(2) 日本海のいさり火(松江市美保関町)

シャッター速度を遅くすると、月が明るさを増して太陽のようになり、水平線で輝くいさり火と光の競演をした(1分間露光)=松江市美保関町千酌から撮影
 水平線に浮かぶ白い光

 日も沈みきった8月のある夜。松江市美保関町千酌から日本海を望むと、水平線にいさり火がともっていた。遠くに浮かぶ白い光は一直線に並んでいる。

 すると水平線近くの雲が赤く染まりだした。雲の切れ間から姿を現したのは、赤っぽい色をした月。朝日や夕日と同じく大気の影響でこのような色になるという。

 スローシャッターで景色を切り取ると、様子が変わった。月は海面に光の筋を描くほど明るさを増し、いさり火はさらに輝いた。日本海から吹き、肌に触れる風が心地よい。空を見上げると雲が流れ、星々はきらめいていた。

 うだるような猛暑が続いたこの夏。汗をぬぐった昼間のことを忘れさせてくれる見事な光の競演になった。

2013年10月22日 無断転載禁止