島根ふるさと遺産100選 (17)美しい日本庭園と水族館

美しい日本庭園が国内外から高く評価される足立美術館や石見を代表する庭園、多くの来場者を楽しませるアクアスを紹介する。

国内外から高い評価を得る足立美術館の日本庭園
足立美術館(安来市)

 安来市古川町の足立美術館は、横山大観のコレクションとともに、日本庭園で知られる。造園技法の一つの借景が採られ、周囲の山や木々も取り込んだ造形美は、国内外から高い評価を得ている。

 5万坪に及ぶ庭園は主庭の「枯山水庭」や「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」など六つに分かれ、専属の庭師や美術館スタッフが、毎日の手入れや清掃を欠かさない。いつでも絵画のように美しく、四季によってさまざまな風情も醸し出す。

 同美術館の庭園は、米国の日本庭園専門誌による日本庭園ランキングで10年連続日本一に選出され、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも最高評価の三つ星を獲得。庭の質の高さや細やかな維持管理、来場者への丁寧な対応は、海外でも高く評価される。

 紅葉は木の種類によって多少異なるものの、いまが見頃。再興第98回院展も同美術館新館で26日まで開催されており、国内外から大勢の観光客が訪れている。

ライトアップで浮かび上がった楽山荘庭園の紅葉
堀庭園(津和野町)

 島根県津和野町の中心部から6キロほど上流に位置する畑迫(はたがさこ)地区に入ると、広壮な建築物が見えてくる。同町邑輝の名勝・堀庭園。奥津和野で300年の歴史を紡ぐ、天領差配家の名園だ。

 同庭園は江戸時代、徳川幕府によって直轄領(天領)に指定され、大森代官所(大田市大森町)の下で銅山を経営した堀家の旧宅。屋敷や周辺の山を含む6ヘクタールが2005年に国の名勝に指定された。

 白石川を挟んで、主屋や客殿「楽山荘」がある北側敷地と、池庭「和楽園」のある南側敷地に分かれ、大小三つの庭園が建物と一体となって景観をつくり、四季の移ろいを鮮やかに映し出す。

 裏山を借景にした庭園風景は、林泉配石の妙を得て美しく、特に一面に彩りを添える秋の紅葉は格別。同町を襲った7月末の局地的豪雨の被害は幸いなく、恒例の「紅葉ライトアップ」では、朝夕の冷え込みで染まったモミジが、見物客を魅了した。

雪舟ゆかりとされる医光寺庭園
雪舟庭園(益田市、江津市)

 室町時代の禅僧で画聖・雪舟(1420~1506年)が築いたとされる庭園は全国各地に点在する。島根県内には益田市の医光寺(染羽町)と萬福寺(まんぷくじ)(東町)、さらには江津市の小川家(和気町)に伝わる。いずれも石や池を巧みに配置し、仏教世界を表現したとされる名庭だ。

 国史跡・名勝に指定されている益田市の2庭園のうち、医光寺庭園は1478(文明10)年ごろ、雪舟が住職だったころに築いたとされる。不老長寿を願った鶴亀にみたてた池と真ん中の島を中心に、須弥山(しゅみせん)石などを配置し、仏教の極楽浄土を表現したとされる。樹齢400年以上というしだれ桜はシーズンともなると大勢の人が訪れる。

 一方の萬福寺庭園は1479(文明11)年ごろに築造。「心」の字を表したという池を中心に配置し、開放的な空間に、やはり仏教世界を現世に表したとされる。

 3庭園とも地形を生かし、石、池、樹木などを巧みに配置。戦乱の時代にあって「雪舟の世界」を知る貴重な文化遺産となっている。

「幸せのバブルリング」のパフォーマンスでおなじみのシロイルカ
アクアス(浜田・江津市)

 浜田、江津両市にまたがる中四国最大級の水族館「しまね海洋館アクアス」。テレビCMで全国区となったシロイルカをはじめ、ペンギンや日本海に生息する魚類など約400種1万点の海洋生物を一堂に展示している。

 「しまねの海から世界の海への展開」をテーマに、2000年4月に開館。日本海の魚たちを紹介する吹き抜けの「しまねの磯」や頭上をサメやエイが泳ぐ海底トンネル、1千トンのパノラマ大水槽など特徴的な展示で来館者を魅了し、オープン14年目を迎えた今年8月、総入館者数は700万人を突破した。

 この間「幸せのバブルリング」の名で有名なシロイルカのパフォーマンスの開始やペンギン館、シロイルカの保護繁殖プールの新設などソフト、ハード両面の整備を実施。何度も訪れてもらおうとさまざまな工夫を凝らし現在は魚類の展示スペースを中心に改修を進め、さらなる魅力アップを図っている。砂田忠館長は「変化に富んだ展示をしていて、年中通して楽しめる施設」とアピールする。

2013年11月25日 無断転載禁止