松江商業高校 松商だんだんフェスタ

 松江商業高校では、商業の役割や機能を理解し、事務・会計・仕入れ・販売等のビジネスの諸活動を通して、地域社会に貢献できる有能な人材の育成を目指しています。これまでも、社会人として通用するあいさつ・言葉遣い・礼儀・ビジネスマナー指導を行い、将来地域のリーダーとして活躍できる有為な人材を育成してきました。より地域に根差した学校になりたいという思いから、2012年12月から「松商だんだんフェスタ」という大規模販売実習をスタートさせました。



多くの来場者でにぎわった昨年の「第1回松商だんだんフェスタ」
生徒全員に進化促す

 島根県立松江商業高校では「松商を日本一元気な学校にしたい」「松商が日本一輝いている学校でありたい」をコンセプトに、生徒自身が運営する大規模販売実習「松商だんだんフェスタ」を開催しています。昨年は雪の降る寒い中、2日間のイベントで約7千人が訪れました。地域に開かれ、地域に貢献できる高校として、2回目の今年は1万人の来場を目標として準備に取り組んでいます。

 昨年から始まったこの「松商だんだんフェスタ」は、“松江商業高校”を地域に発信するとともに、さらなる松商の進化を求めて行っているものです。昨年の来場者のアンケートからは、駐車場係、環境整備係の熱心さに感動したという感想が多く寄せられました。生徒一人一人に役割があり、店舗販売だけでなく裏方で働く生徒たちも大勢います。

 昨年の松商だんだんフェスタで広報係を務めた曾田千晶さん(山陰合同銀行勤務)は「私たちの時は何をしていいのか全く分からないところから始まった。前向きに行動し、学校全体で協力し合うことによって大きな達成感を得ることができた。5年後、10年後と続いていってほしい」と振り返っていました。

本番を前に意欲を燃やす松商だんだんドットコム役員たち
 同じく広報係を務めた村田彩弥香さん(島根大学法文学部在籍)は「受験と重なり大変だったが、大勢の人が来店してくれたことにとても感動した。この経験は将来必ず役に立つので、生徒全員で昨年よりも魅力的なフェスタにしてほしい」と語っていました。

 今年の松商だんだんドットコム社長を務める北村奈織香さんは「フェスタをやってよかったと最後に思いたい。生徒全員がこのイベントで何か一つでも得るものがあれば成功だと思う。今まで準備してきた集大成として頑張りたい」と意気込みを語っています。

 たくさんの人たちの思いが集まる「第2回松商だんだんフェスタ」では、さらなる松商の進化を見ることができるのではないでしょうか。   (荒川康行)



模擬ハローワークで求職手続きのあと、企業係の生徒から面接を受けるキッズビジネススクール参加の児童(資料)
キッズビジネススクール松商 仕事の楽しさ小学生に伝授 地域引っ張る人材育成

 「キッズビジネススクール松商」は、「松商だんだんフェスタ」に合わせて開催する、松江市内の小学生を対象とした体験学習です。

 他人と協力して仕事をすることで働くことの楽しさや責任感をはじめ、思いやりや協調の心を学び、本物の商品・現金を扱いながらお客さまと接することで、コミュニケーション能力の向上を図り、ビジネスマナーを実践する機会となっています。

 昨年はたくさんの応募があり、参加した小学生からは「働くことはこんなに大変なんだなあと思った。接客のやりかた、忙しさが分かっていい勉強になった」「大人がしていた仕事を実際にやってみて、いろんなことをしていることが分かってよかったし、楽しかった。もっと仕事をしたい」「仕事のつらさとやり遂げたときのうれしさがよく分かった」という感想をいただきました。

 また、保護者の方からは「納税やハローワークまであり、社会に出た時に思い出して役に立ててくれれば」「想像以上に企画、造作物も高度にできており、感心した。来年以降も継続してできると良い」「高校生が地域の中でかかわる活動があることで、地域の住民や子どもたちと交流できる機会ができてうれしい」との感想をいただき、次回も参加させたいと思う方が8割を占めました。

 今年の開催にあたっては、前回の警察署・新聞社・ファッションモデルと新たにテレビ局、消防署にもご協力をいただき、販売店舗だけではない「松商だんだんフェスタ」開催にかかわる幅広い職業が体験できるようにしました。各日60人の定員を大きく超える申し込みがあり、その期待に応えられるよう係のメンバーを中心に準備しています。

 サポート係長を務める立原まりのさんは「小学生の皆さんにいろいろな職業のことを知ってもらえるよう、私たち生徒がしっかりサポートをしたい。お手本となるような接客姿勢を示し、いろいろなことを教えていきたいです。私たちと小学生の皆さんが互いに成長できる場となればうれしいです」と話しています。

 「松商だんだんフェスタ」当日には、会場内の至る所で小学生の働く姿が見掛けられると思います。ぜひ会場に足を運んでご覧いただければと思います。(野津菜々美、本田淳也)



ボランティアで来客に抹茶でおもてなしをする茶華部員
商業研究部 玉造温泉街の活性化調査 「おもてなし力」が源

 商業研究部では、今年の4月から松江市の玉造温泉街がなぜ活性化したのかを調べました。実際に玉造温泉街に足を運んで地域の人に話を伺ったり、茶華部や写真部と協力しておもてなしボランティアを行ったりしました。

 これらの調査や活動の結果、地元企業や地域住民が団結した「おもてなし力」が観光客を感動させ、期待以上の満足感を与えていることが、温泉街のにぎわいにつながっていると分かったそうです。この研究については、中国5県生徒商業研究発表大会でも発表されました。

 このご縁もあって、「美肌マルシェ」「JAくにびき営農経済センター」の両者と共同で、「玉造温泉おみやげ企画・開発」をスタートさせることになりました。来年の発売を目標に現在着々と準備が進行しているそうです。

 地域の活性化に向けて「私たちができることは何だろうか」と主体的に考えるようになり、今まで以上に地域のことを考えていくようになりました。さらなるにぎわいの創出につながる活動に、私たち松商生が積極的に取り組んでいくことが大切だと感じました。玉造温泉街のおもてなし力を手本にして、私たちも活動したいと思います。 (大橋正人)



「みんカフェマルシェ@城北公民館」で来客にアンケートを行い、意見を聞く生徒
課題研究 「みんカフェ」で接客実習 講師招き質向上

 課題研究「接客研究」では、みんなでつくるカフェ実行委員会の協力を得て「みんカフェマルシェ@城北公民館」「武家屋敷特設カフェ」で接客の実習を行いました。

 昨年のだんだんフェスタでの反省から、“高校生だから”という甘えのない接客姿勢を身に付け、生徒全体の接客レベルの向上を図ることを目的にしています。事前に、企業の社員教育担当の方や、フィニッシングスクールを開講しておられる卒業生に来校いただき、基本的なビジネスマナーから接客の言葉遣い、姿勢についてご教授いただきました。

 班長の吉木裕哉くんは「今流行しているおもてなしの心をもってお客さまに接していきたい。これから開催される『松商だんだんフェスタ』では、来場された方々にまた来たいと思ってもらえるよう、今まで習ってきた接客のイロハをぜひ実践したい」と話しています。

 今年の「松商だんだんフェスタ」では、彼らの姿勢が生徒全員に次々と波及していくよう期待しています。

(本田淳也)



NIE実践で新聞読む習慣

 松江商業高校は今年からNIE(教育に新聞を)実践指定校になりました。購買前に校務技術員の廣江寿夫さん手作りの「新聞閲覧台」を設置したり、図書委員会が昇降口前に「立ち読み新聞コーナー」を設置するなどして、生徒の皆さんに世の中のことを活字の上で知ってもらおうと工夫しています。

 学校司書専門員の別所聡美さんは「新聞を読むことが生徒の習慣になってくれれば大成功」と話しておられ、これからもっと効果的な方法を探って全校生徒に発信していくそうです。

(大橋正人)



学校紹介 「誠実・質素・勤勉」目標に

 松江商業高校は、明治33年(1900年)、商業を専門で学ぶ学校として山陰で初めて誕生した創立113年となる伝統ある高校です。「誠実・質素・勤勉」の校訓は校歌にもうたわれ、自己表現のための生涯目標として後輩に受け継がれています。

 本校には「商業科」「情報処理科」「国際ビジネス科」という、それぞれ特色のある三つの学科があります。

 調和のとれた全人教育の立場から、部活動を重視しています。15の運動部、18の文化部があり、指導者・施設設備も充実しています。本年度の島根県高校総体では、女子が2年連続25回目の総合優勝を果たしました。文化部も、中国大会や全国大会に出場するなど活動が盛んに行われています。



編集後記

 私たちが選択している課題研究「情報発信」は、主に新聞やホームページなどの情報を発信する立場についての学習を4人でしています。今回の「青春はつらつ新聞」製作では、自分たちで取材をし、記事の内容を考えました。地域のために行うフェスタ役員たちの思いや、生徒たちの活動状況を知っていただけたらうれしく思います。これからも学校全体で地域に貢献できるよう頑張りたいと思います。

 最後に、さらなる進化を求める松江商業高校を応援してくださっている全ての方々に感謝を申し上げます。

 (荒川康行、野津菜々美、大橋正人、本田淳也)

2013年12月3日 無断転載禁止

こども新聞