レッツ連歌(下房桃菴)・12月12日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 村一番のハデな電飾

分校の子らが宇宙へメッセージ (益田)石川アキオ

きれいですねと若田さんからメール
               (出雲)原  陽子

ありたけの思いを込めるプロポーズ
            (長野・大町)金原 怜子

大雪にならねばよいが年の暮れ (雲南)板垣スエ子

うどん屋の作戦みごと的中し  (松江)中西 隆三

退職後タガがはずれた元部長  (雲南)安部 小春

新装の賑わい見せる道の駅   (松江)森  笑子

昼間からシャンシャン鈴も鳴らしたて
               (益田)小倉  豊

太陽の恵みパネルに受けとめて (松江)岩田 正之

これまでは蛍の光窓の雪    (出雲)黒田千華子

朝は過疎夜は過密の田舎道   (松江)高木 久美

間伐材運び出してるNPO   (松江)森広 典子

電気代滞納してるという噂   (出雲)矢田カズエ

山門をくぐれば私設保育園   (松江)安東 和実

爺様は我が家と知らず通り過ぎ(津和野)岡田 忠良

野良帰りおよね松っあんおったまげ
               (松江)三島 啓克

畦道に案内の旗ひらめいて   (松江)福田 町子

学び舎は今は地域の憩いの場  (浜田)松井 鏡子

表から入る勇気のない家族   (大田)掛戸 松美

出馬する前宣伝と腹が読め   (益田)石田 三章

農道の交通整理に駆り出され  (益田)可部 章二

目立たない子供でしたと親の弁 (松江)川津  蛙

ご近所の田んぼは臨時駐車場  (雲南)難波紀久子

高台の役場ぽっかり浮き上がり (飯南)塩田美代子

コンビニもないこの土地にラブホテル
               (江津)岡本美津子

農継いだ倅夫婦の収穫祭    (松江)松田とらを

神話からおとぎ話へ続く道   (出雲)川上 梨花

絶世の美女が揃っていますとサ (松江)山崎まるむ

子や孫に帰れと言えぬ頑固者  (松江)高木 酔子

築地松ぜんぶ使って飾りつけ  (松江)持田 高行

電器屋の親父楽天フアンにて  (松江)庄司  豊

独り身の気持ちだけでも大らかに(松江)永瀬 秋風

フィナーレはペンライト舞う爺ぃバンド
               (江津)花田 美昭

被災地に笑顔が戻る年の暮れ  (浜田)勝田  艶

天空の駅を彩る冬の夜     (松江)植田 延裕


           ◇

 「分校の子らのメッセージ」、「若田さんからのメール」、あえて二句、並べてみました。映画「白い船」みたいですね。宇宙船が汽笛を鳴らしてくれないのが残念ですが…。

 「昼間からシャンシャン」は、うるさすぎる。こんな調子だと、いよいよもって「爺様は通り過ぎる」…ぐらいならかわいいけれど、「家族が表から入れない」となるとちょっと深刻!

 「絶世の美女が揃(そろ)っている」というのは、こちらはどう見ても民家じゃない。そういう施設が「村」にあるのは不思議ですが…。最後の「とサ」がいいですね。

 酔子さんの「頑固者」は、娘の結婚を許すとか許さぬとか、過去にそんなもめ事でもあったのでしょうか。それとも、単に不器用な親父さんなのでしょうか。いずれにせよ、黙々と電球を飾りつけている姿が目に浮かぶようです。

           ◇

 さていよいよ、新春特集の付句募集です。前句は前回もお知らせしたとおり、

  天狗になった初夢を見る

 この句に愉快な五七五をお願いします。

 お正月です。卒業生のみなさんも、年に一度は帰ってきてください。

               (島根大名誉教授)

2013年12月12日 無断転載禁止

こども新聞