紙上講演 コリア・レポート編集長 辺真一氏

コリア・レポート編集長 辺真一氏
日韓・日朝関係の現状と日本の対応

張氏処刑日朝協議に影

 山陰中央新報社の石西政経懇話会、石見政経懇話会の定例会が12、13の両日、益田市と浜田市であり、コリア・レポート編集長の辺真一氏(66)が「日韓・日朝関係の現状と日本の対応」と題して講演した。13日は北朝鮮の張成沢(チャンソンテク)元国防副委員長の死刑執行が発表されたことを受け、その分析も披露した。要旨は次の通り。

 北朝鮮の張氏は罪名から死刑は避けられないと思っていたが、故金正日(キムジョンイル)総書記の命日の17日までは、北朝鮮は血なまぐさいことを避けると予想していたので、急いで執行したのには驚いた。

 処刑の理由は、張氏に連なる一派に対する見せしめだ。たとえ金正恩(キムジョンウン)第1書記の叔父でも、トップに逆らえば断固たる処罰をすることを示した。故金日成(キムイルソン)主席の時代から“金王朝”を支える朝鮮労働党政治局や国防委員会の長老たちが一体となって糾弾した、というのが私の見方だ。

 張氏は日本人拉致問題への取り組みにも前向きだった。処刑は拉致問題を巡る日朝協議にも悪影響を与える。暗澹(あんたん)たる思いだ。

 一方、日韓関係には歴史認識や領土を巡る難しい問題があり、ここまでこじれた関係の修復は容易ではない。根本にあるのは従軍慰安婦の問題。過去の問題の処理を誤り、それが今の日韓関係の足かせになっているのは残念だ。互いに寛大な対応を取らないと、解決へ進まない。

2013年12月16日 無断転載禁止