(48)江津市庁舎(江津)

ダイナミックなデザインが目を引く江津市庁舎
橋脚思わす大胆な外観

 橋脚の上に橋桁のような建物が載ったダイナミックなデザイン。島根県江津市庁舎(江津市江津町)は、同市のシンボルとして市民に親しまれている。

 市庁舎は、外国語学校アテネ・フランセ(東京都千代田区)の設計などで知られる建築家の吉阪隆正・早稲田大元教授(故人)の研究室が手掛け、1961年にA、B、Cの3棟を建設した。

 メーンのA棟は、逆V字型の柱の上に、市長室や総務課などが入る建物が載った構造。空洞となっている1階部分は駐車場として活用され、屋上からはJR江津駅など市街地が一望できる。駐車場の脇に石積みのらせん階段があり、上部の建物に直接入ることができる。

 A棟の梁(はり)にはピアノ線が張ってあり、地震発生時には建物が上下にたわんで、揺れを逃がす仕組み。2000年の鳥取県西部地震で同市は震度3を記録したが、建物の損傷はなかった。

 ただ、築50年以上経過し、耐震性の判断は大きな課題。建物の構造を記した詳細な図面が残っておらず、耐震診断が困難な上、無理に耐震補強すれば、揺れを逃がす構造自体に悪影響を及ぼす恐れがあり、苦慮している。

 同市の古川豊危機管理監は「価値ある建築物だが、耐震化は大きな問題。どのような対策が必要か検討したい」と話している。

2014年1月9日 無断転載禁止