(49)三隅小学校(浜田)

円形の開放感ある校舎が特徴的な三隅小学校
美術館に近い趣の校舎

 ガラス張りの窓から太陽光が燦々(さんさん)と校舎内に差し込む様子は、学校というより、美術館に近い趣を持つ。浜田市三隅町古市場の市立三隅小学校は、特徴的な建築様式から、近くに美術館や図書館が並ぶ同町内の文教ゾーンの中で、ひと際強い存在感を放っている。

 同校は、市町村合併前の旧三隅町が、児童数減少と校舎の老朽化が進む町内の4小学校を統合し、1997年4月に開校した。設計は「くにびきメッセ」(松江市)や「仁摩サンドミュージアム」(大田市)など、県内外で数多くの建築物を手掛ける大田市仁摩町出身の高松伸氏が担った。

 鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積5681平方メートルの校舎は直径約70メートルの円柱型。ドーナツの穴のようにくり抜かれた中央部に中庭がある。各教室の廊下側に壁を設けない「オープンスペース」形式を取り入れるなど、開放感ある作りを目指して設計された。

 教室は円の半分に集中して配置。円形のため、教室の窓側が湾曲した不規則な構造を持つ、全国的にも珍しい作りになっている。

 また、現在は故障中だが、中庭に高さ約20メートルの時計塔がシンボルとしてそそり立つほか、屋上に42個設置された明かり窓から常に太陽光を取り込むなど、全校児童200人の感性をくすぐる工夫が校舎のあちこちに詰め込まれている。

 同校の渡部哲治教頭は「この校舎で過ごした学校生活は、児童にとってかけがえのない思い出になるだろう」と話す。

2014年1月23日 無断転載禁止