レッツ連歌(下房桃菴)・2月13日付

(挿絵・FUMI)
 あしたはなんの日だか知ってる

新聞を見ながら君の誕生日   (江津)花田 美昭

覚えてるだけじゃ済まない誕生日(出雲)吾郷 寿海

苦労して子育てしつつ店を出し (出雲)原  愼二

義理チョコをアテにしている上司いて

            (熊本・天草)龍石美和子

義理チョコはもう飽きたでしょ止めましょう

               (安来)根来 正幸

十三日金曜仏滅三隣亡     (松江)中西 隆三

頑として数え年しか言わぬババ (松江)花井 寛子

開戦を知らぬ若者多くなり   (松江)金津  功

息子から突然届く芋焼酎    (益田)石川アキオ

女房が認知テストを仕掛けてき (松江)高木 酔子

算盤に一升餅も用意して    (松江)田中 堂太

爺さんはボケたふりする知能犯 (松江)渡部 靖子

正解をはずして孫に花持たせ  (安来)宇山 治恵

なんにでも使える品を用意する (松江)川津  蛙

夜食食べハッと気がつく胃の検査(出雲)原  陽子

サプライズせっかく用意してたのに

               (美郷)源  瞳子

六ヶ月前に拾った五千万    (出雲)黒田千華子

耳元で孫がささやくナイショごと(大田)杉原サミヨ

潮時と見て免許証返納し    (松江)岩田 正之

元カレの未練がましきメール来て(大田)柴 わん子

おととしの修羅場は今も忘れない(松江)小豆澤悦子

執念はかくも女を強くする   (益田)吉川 洋子

その昔この地襲った大津波   (松江)木村 更生

聞こえないフリして外でタバコ喫い

               (出雲)放ヒサユキ

毎日を記念日にする幼な妻   (飯南)塩田美代子

そげなこと昨日のことも分からんわ

               (松江)杉本 末吉

紅白をやっているからお正月  (松江)安東 和実

父さんと夢中で生きた五十年  (江津)江藤  清

行列は山陰初のチェーン店   (松江)森広 典子

そこのゴミ全部まとめて出しなさい

               (松江)佐々木滋子

胃カメラを飲むのが怖いお父さん(浜田)勝田  艶

嬉しくてタマにまで聞く三歳児 (浜田)松井 鏡子

消費税三パーセント上がるだけ (出雲)矢田カズエ

塗られたら倍返しする墨トンド (松江)高木  和

正解は次回のレッツ連歌です  (松江)山﨑まるむ


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 生まれたとたんに一歳、というのが数え年。これを不合理だと考える人もあります。でも、それなら、新年はゼロ月ゼロ日から始めなくっちゃならない。数え年と満年齢との違いは、要は序数か基数かというだけのことです。あとは習慣と好みの問題。寛子さんのババに敬意を表します。

 「正解をはずす」のは、親もよくやることですが、やっぱり爺ちゃん婆ちゃんのほうが、句としてはぴったり来ますね。治恵さんの句、ほのぼのとした、とてもいい作品です。

 瞳子さんの句は…、これは悔しいですよね。子供だったら、大声上げて泣き出しそう。

 カズエさんの句にそっくりな「消費税三パーセント上がる日ヨ」という句を、別のかたからいただきました。最後の二文字が違うだけですが、前句にある「日」ということばはできれば避けたいという理由と、それに何より、「だけ」と言い切ったカズエさんの豪快さにほれて、こちらのほうを取らせていただきました。お許しください。虫食いクイズのようなものです。

            ◇

次の前句は、

 笑わせるつもりのギャグを笑われて

だれでもすぐに思いつく「オヤジ」ということばは、この際、使わないことにしましょう。もっともっと内容の離れた七七を期待しております。

(島根大名誉教授)

2014年2月13日 無断転載禁止

こども新聞