(52)スタインウェイのピアノ(川本)

 悠邑ふるさと会館で開かれた一般参加の演奏会で、ピアノの名器「スタインウェイ」を弾く出演者(資料)
世界的名器で町おこし

 世界三大ピアノの一つとして知られる名器「スタインウェイ」が、川本町川本の悠邑ふるさと会館に所蔵されている。音の響きや透明感に優れ、音楽を通した町おこしを掲げる同町が、世界的なピアノを身近に感じてもらおうと、一般参加の演奏会やプロのピアニストを招いたコンサートなどで活用している。

 スタインウェイは、同会館の1996年のオープンに合わせ、合併前の邑智郡旧7町村でつくる事務組合が、ドイツ・ハンブルク工場製1台を1350万円で購入。「D―274」モデルは奥行き274センチ、横幅157センチ、重さ480キロと最大級で、黒く光るボディーが重厚感を醸し出す。

 同会館の1千席規模の大ホール横にピアノ庫があり、普段はエアコンで夏場は23~25度、冬場は17~20度に温度を調整。「ピアノモード」が付いた特別の除湿機で、年間を通して湿度を50%に設定するなど、繊細な器体や部品が変化しないように、細心の注意を払って保管している。

 ピアノを管理している川本町教育委員会が2009年から、名器を積極的に活用しようと、一般参加の演奏会「わたしの弾くスタインウェイ」を毎年恒例の企画として開催。これまでに、就学前児童から70歳を超える高齢者まで約170人が舞台上で演奏を楽しんだ。

 また、寺田まりさんや巨勢典子さんら著名ピアニストの演奏会や、NHKベストクラシックなど各種コンサートでも使用。澄んだ音色が聴衆を魅了している。

 町教委教育課の高木己希雄主任(35)は「腕前は関係なく、最高級のピアノに気軽に触れられる機会をさらに設け、音楽への興味を深めてもらうきっかけにしたい」と一層の有効活用策に知恵を絞る。

2014年3月6日 無断転載禁止