きらめく星たち(8) 5月の星空

 火星のすぐ下に「からす座」

 この春は南の空に赤い火星(かせい)が見えています。その東側、つまり左にも明るい星があります。おとめ座(ざ)のスピカです。青白く輝(かがや)き、火星の色とは対照的(たいしょうてき)です。さらに、東には土星(どせい)が黄色っぽく光っています。

 火星のすぐ下に、ひしゃげた四角(しかく)に並(なら)んだ星があります。もっとも、惑星(わくせい)は星座(せいざ)から星座へとゆっくり動いていきますので、来年の春にこの探(さが)し方はできません。スピカを目印(めじるし)に見つけるのがよいでしょう。

 この四角は、からす座です。ギリシャ神話(しんわ)によると、昔(むかし)、カラスは太陽(たいよう)の神アポロンに仕(つか)えていました。銀色(ぎんいろ)の翼(つばさ)を持ち、美(うつく)しい声で鳴(な)き、その上、人間の言葉(ことば)を話すことができた賢(かしこ)い鳥だったそうです。

 ある時、カラスはアポロンにうその報告(ほうこく)をしました。それがばれてしまい、罰(ばつ)として羽の色は真っ黒に、声はがらがら声に変えられ、言葉も奪(うば)われてしまいました。罰はまだ足りず、最後には銀のくぎで空にはりつけられたそうです。「闇夜(やみよ)のカラス」を見ることはできませんが、4本のくぎの頭だけが星として見えているとされます。

 ハワイや東南アジアなど南の国ではこの時期、からす座の下の方に、みなみじゅうじ座、いわゆる南十字(みなみじゅうじ)星が見えます。からす座も小さいのですが、みなみじゅうじ座は星空の中で最も小さな星座です。

 では反対に、最も大きな星座はなんでしょうか? それは、うみへび座です。西にある頭から東にあるしっぽまで、今は長細い姿を見せています。でも遅(おそ)い時間になると、頭が沈(しず)んで全体が見えなくなってします。図を手掛(てが)かりにし、見ることができるうちに星をたどってみてください。

 (島根県立三瓶自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵)

2014年4月22日 無断転載禁止

こども新聞