紙上講演 共同通信社編集委員兼論説委員 松浦義章氏

共同通信社編集委員兼論説委員 松浦義章氏
真価問われる安倍政権

増税とTPP対応鍵

 山陰中央新報社の石見政経懇話会、石西政経懇話会の定例会が24、25の両日、浜田、益田両市であり、共同通信社編集委員兼論説委員の松浦義章氏(51)が「真価問われる安倍政権」と題して講演した。安倍晋三首相の政権運営の行方について、10%への消費税率の引き上げと環太平洋連携協定(TPP)の対応を鍵に挙げた。要旨は次の通り。

 第2次安倍内閣の支持率が50%を割ったのは、昨年12月の特定秘密保護法が成立した時のみ。その後回復し、消費税増税直後の支持率も59・8%で、依然高い数字を維持している。

 第1次安倍内閣時の保守的政策を抑制気味にし、大胆な金融緩和や大規模な予算編成など、経済に重点を置いた政策を行った成果もあり、首相就任当初1万円台だった株価は1万4千円前後に回復している。政権運営が順調なのは、アベノミクスが奏功しているからだろう。

 一方でアベノミクスはまだ地方へ波及しておらず、(地方に)効果があるかないかが、政策の成否にかかわってくる。

 今後は8%から10%への消費税率の引き上げが待ち受ける。2015年度予算の編成に向け、年内に結論を出さなければならない。その論拠になるのが11月に発表される7~9月期の国内総生産(GDP)速報値だが、4~6月期からどれだけ回復していれば引き上げるのかということもあり、難しい判断を迫られる。

 外交では、TPPの落としどころが日米関係を大きく左右する。また、中国、韓国との関係は一向に改善されていない。米国も懸念しており、安倍外交がどこまで(関係改善に)踏み込むことができるかが課題だ。

2014年4月28日 無断転載禁止