ヨシダがいく!(3) 介護福祉士・荒木 淳さん(出雲市平田町)

利用者の食事を介助する荒木淳さん=出雲市斐川町上直江、なのはな園
 思いやりの心で寄り添う

 「おばあちゃん、ごはんはおいしいかね」-。特別養護(ようご)老人ホーム「なのはな園」(出雲市斐川町上直江)で働く介護福祉士(かいごふくしし)の荒木淳さん(38)=出雲市平田町=が利用者の食事を介助しながら、穏(おだ)やかな口調(くちょう)で語りかける。利用者が快適(かいてき)に生活できるよう、気配(きくば)りを欠(か)かさない。


 社会福祉法人島根ライトハウス(松江市宍道町西来待、佐藤充男理事長)が運営(うんえい)する同園には50人が入居(にゅうきょ)。ショートステイやデイサービスを含(ふく)め約100人の利用者を、職員(しょくいん)65人が支えている。

 2000年から同法人で働く荒木さんは生活支援(しえん)課の主任。後輩(こうはい)の指導(しどう)にも力を注ぐ。

 福祉の道に入るまで、少し遠回りをした。広島県内の大学を卒業(そつぎょう)後、食品メーカーに就職(しゅうしょく)。営業(えいぎょう)マンとして働(はたら)いていたが、朝早くから夜遅くまでの勤務(きんむ)が続き、やりがいも見いだせず、1年足らずで退職(たいしょく)した。

 次の仕事を探(さが)そうとハローワークなどを回るうちに、大学時代、サークル活動で老人ホームを見学した時に、職員が生き生きと働いていたことを思い出し「やりがいが見つかるかもしれない。やってみよう」と決意した。

 当初、未経験(みけいけん)者だった荒木さんは、排(はい)せつ物の処理(しょり)やおむつの交換(こうかん)も満足にできず、失敗の連続(れんぞく)。利用者が不安そうな表情を見て「申し訳なくて、悔(くや)しかった」という。

 「利用者の要望(ようぼう)に応えたい」という強い思いから、毎朝4時に起きて出勤(しゅっきん)まで必死に勉強。03年に介護福祉士の資格(しかく)を得(え)た。その後も知識(ちしき)を磨(みが)き、06年にケアマネジャー、10年には認知症(にんちしょう)ケア専門士の資格を取った。

 「どんなに苦しいことがあっても、利用者さんからありがとうと声をかけてもらうと、力がわいてくる」と荒木さん。「働くとは心。利用者さんは働く姿勢(しせい)をよく見ている。人を思いやる心を持って接(せっ)することで信頼(しんらい)関係が生まれる」と語る。

 現在は4月に同園にできるユニット型施設のリーダーとして、新たに入居する40人を支える体制づくりに情熱を注ぐ日々。思いやりの心を胸に、今日も利用者と向き合う。

2014年5月15日 無断転載禁止

こども新聞