レッツ連歌(下房桃菴)・5月22日付

(挿絵・河野知子)
◎路地を入るとすぐ分かります

おふくろの味でゆっくり飲める店(松江)渡部 靖子

新任の家庭訪問まだ来ない   (雲南)安部 小春

退職後犬の散歩で知る近所   (出雲)矢田カズエ

妾宅はお供の丁稚よく覚え   (浜田)勝田  艶

◎足の痺れも限界にきて

振袖の裾踏みつけてまたフられ (飯南)塩田美代子

◎忘れられないお粥と梅干

抑留に耐えて故国の土を踏み  (松江)三島 啓克

◎じいチャンやっぱり孫が心配

GPS内緒で付けたランドセル (益田)石川アキオ

助手席に乗るのそろそろやめてくれ

               (松江)佐々木滋子

今月もいっぱい振り込まれています

              (松江)山﨑まるむ

◎おとぅは帰る出稼ぎの村

まだ顔を見ない家族が一人増え (出雲)黒田千華子

◎井戸の周りにかみさん連中

お愛想笑いだけして通り過ぎ  (出雲)津戸 弘光

◎仏頂面でじゃあ行ってくる

小遣いの値上げ交渉決裂し   (松江)高木 酔子

かみさんが起こした事故の尻拭い(松江)余村  正

ジャンケンで押し付けられた自治会長

               (美郷)源  瞳子

無欠勤無遅刻無趣味四十年   (松江)松田とらを

◎値引きシールにばかり目が行き

ブカブカとキチキチすぎる服だらけ

               (松江)花井 寛子

暗算が苦手な上に税は別    (益田)小倉  豊

◎校庭走るという金次郎

供出を逃れるための足慣らし  (益田)石田 三章

芝生だと足に優しく気持ちいい (大田)掛戸 松美

甚五郎こりゃたまげたと兜脱ぎ(浜田)佐々木勇之祐

爺さんは米寿迎えてなお盛ん  (江津)花田 美昭

◎活動家だった姿まざまざ

春闘にベースアップが蘇り   (松江)岩田 正之

◎ずさんな帳簿ルーズな貸し借り

抜け穴は次から次と掘られてい (益田)吉川 洋子

ご利益がまるでなかった酉の市 (益田)可部 章二

政治家の妻に私もなれそうな  (松江)加茂 京子

◎顔は知らぬがレッツのライバル

五百回記念に皆で集まって   (松江)植田 延裕


           ◇

 「お粥と梅干」は、ふつうは粗食の代表。その粗食が食べたい…、こういう付句が出てくるとは夢にも思いませんでした。啓克さんの句、若い人には分かりづらいかもしれませんが、忘れてはならない歴史です。

 三章さんの句も、ただのナンセンスじゃない。安倍総理には、じっくり味わっていただきたいもの。

 酉の市の熊手は、ごく小さいものは千円、よほど大きくても数十万、売れ筋は二~五万といったところだそうです。でも、今年あたりは、純金製の熊手が出たりして…。江戸っ子ならきっとやりますよ、「八億円」の値札ぐらいは。

 時事句にもいろいろありますが、松美さんの句は、ローカルではあるけれど、立派な時事句! 松江市では小学校の校庭の芝生化が進められております。もっとも、排水が悪くなるのが難、という記事も最近、本紙に載りました。とすると、雨上がりには、ズボッズボッ、なのかな。

 さて、そういえば、「レッツ連歌」も来年の三月には五百回! 記念パーティーの幹事さんも、すでに決まったようですね。私も今から楽しみにしております。

          ◇

 次は、今日の入選句を前句に選んで、それに七七の句を付けてください。

 選んだ前句もお忘れなく、お書き添えのほど。

              (島根大名誉教授)

2014年5月22日 無断転載禁止

こども新聞