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亡き父に捧げる小説出版 学んだ仏教観随所に

3作目の著書を出版した靖子靖史さん=米子市内
 鳥取県米子市在住の作家、靖子靖史さん(26)が小説「空色(くうしき)カンバス」を講談社から出版した。靖子さんの実家は寺で、得意とするミステリー的手法に、父から学んだ仏教観を織り交ぜ、自身3作目となる物語を書き上げた。その父は、作品の完成を見てから昨年秋に他界。靖子さんは感謝を込め「この作品は父に捧(ささ)げる」と記した。

 中学生のころに小説家を志し、高校卒業後に進学した早稲田大と駒沢大大学院で宗教学を専攻した。処女作「そよかぜキャットナップ」は在学中に書き上げ、2011年に「第10回講談社BOX新人賞Talents」を受賞、ライトノベルの分野で評価を得た。

 そのまま東京で執筆を続けようと思った矢先、父が病気に倒れ帰郷を決意。靖子さんは今作で初めてライトノベルでなく一般文芸に挑み、講談社の月刊誌「小説現代」で13年11月から3号続けて連載した。

 物語の主人公は寺の家庭で育った僧侶の兄と妹で、突然現れた見知らぬ女性と暮らす場面から展開をみせる。この女性が一体誰なのかという謎解きと、生きる目的を見つけあぐねる妹の成長譚(たん)が、交錯しながらストーリーが進む。

 小説に重みを持たせているのが、兄妹が父から教わった法話など仏教のエピソード。物語のところどころで紹介され、特に物事のつながりと変化を説く「縁起説」などは、実際に靖子さんが父から大切さを学んだものだ。

 「せっかく小説家になれたのだから、物語で感謝を伝えたい」という思いで筆を進めた。靖子さんは「父から『自分が大切にしてきたことが書いてある』と言われたのをうれしく思う。書いて本当に良かったと思える作品」と振り返った。

 四六判で358ページ、税込み1620円。山陰両県の今井書店などで販売されている。

2014年5月24日 無断転載禁止