紙上講演 出雲大社権宮司 千家和比古氏

出雲大社権宮司 千家和比古氏
出雲大社の御遷宮をめぐって

古代から人や物資集まる

 山陰中央新報社の島根政経懇話会の定例会が26日、松江市内であり、出雲大社(出雲市大社町杵築東)の千家和比古(よしひこ)権宮司(64)が「出雲大社の御遷宮をめぐって」と題して講演した。2008年から続く出雲大社の「平成の大遷宮」を紹介しながら、時代とともに変遷する遷宮の意義を説いた。要旨は次の通り。

 出雲大社は、古代から幾度ともなく遷宮を現在の地で繰り返してきた。近くには現在の神西湖を含む大きな湖があり、港としての役割を果たした。古代からの一大交流センターで、人や物資、情報が集まっていた。

 出雲大社の建て方が大きく変わったのは1609年。掘っ立て柱から礎石の上に柱を立てる方式になり、遷宮がほぼ60年に1度繰り返されるのも、この年から始まった。

 60年に1度の御遷宮では技術の伝承が非常に厳しい。本殿の大屋根をふく檜皮(ひわだ)1枚が長さ4尺(1・2メートル)もあるのは出雲大社だけ。今回の遷宮にあたった作業者も経験がなく、工事中は、現場に設けた模型で試し葺(ぶ)きをして、体に覚え込ませた後、本作業にあたった。

 改修が終わった本殿にご神体を戻す「本殿遷座祭」は昨年終わったが、摂社や末社の工事は2016年まで続く。摂社や末社は大黒様(オオクニヌシノミコト)を支える神様。支えが必要なのは人間社会に限らず、神様の世界も同じで、最後まで気を緩めないであたっている。

2014年5月27日 無断転載禁止