きらめく星たち(11) たそがれ時・かわたれ時

かわたれ時の空=5月27日午前4時20分ごろ、出雲市芦渡町
短い夜楽しみ季節感じて

 午後(ごご)7時は夜(よる)でしょうか? もし6月なら答えは「いいえ」です。その時間(じかん)に外(そと)に出てみてください。星は見えないどころか、まだ太陽(たいよう)も沈(しず)んでいません。

 今年は6月21日が夏至(げし)の日。太陽が1年で最(もっと)も高く、昼間が一番長くなります。松江での6月21日の日の入りは午後7時26分、22日の日の出は午前(ごぜん)4時53分なので、夜は9時間27分しかありません。

 また、日の入(い)り後と日の出(で)前の約1時間半は「薄明(はくめい)」といって、空が真(ま)っ暗(くら)ではない時間なので、星を見やすい時間は6時間半ほどしかないのです。ちなみに12月の冬至(とうじ)のころの夜は14時間15分もあります。

 この時季(じき)、夕食後に外へ出た時に、まず楽しんでもらいたいのが「たそがれ時」。昔(むかし)の言葉(ことば)で「誰(た)そ彼(かれ)」。つまり、その人が誰(だれ)だか分かりにくい暗さという意味で、夕方の薄明をそう呼(よ)びます。

 空の色がだんだんと変わり、やがて星空になる様子(ようす)をカエルの声(こえ)など聞きながら見てください。そこから6時間半、星や月を満喫(まんきつ)した後、やがて東の空が青(あお)とオレンジに染まっていくところを見たとしたら格別(かくべつ)でしょう。

 朝方(あさがた)の薄明は「彼(か)は誰(たれ)」というところから「かわたれ時」といいます。夏至の太陽に地球がゆっくり熱(ねっ)せられ、しばらく後に暑(あつ)い日々(ひび)がやってきます。夜の長さを感じるだけで、季節を先取(さきど)りすることができます。星を見ることは遠(とお)い宇宙(うちゅう)に思いをはせると同時に、身近(みぢか)な自然を感じ取ることでもあるのです。

 一晩中寝ないで、とはいいませんが、梅雨(つゆ)の晴れ間、短(みじか)い夜を楽しみませんか?

 (島根県立三瓶自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵)

2014年6月3日 無断転載禁止

こども新聞